劇場公開日 2021年12月3日

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「邦題のトホホ加減について」天才ヴァイオリニストと消えた旋律 くーにー62さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0邦題のトホホ加減について

2021年12月21日
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鑑賞方法:映画館

映画は素晴らしい。このことはまず言っておかねばならない。良作であるがゆえに、この邦題のいい加減さ、投げやりさが腹立たしくて、ここに糺しておく。この映画に寄せる愛もシンパシーもない、一体にセンスのない邦題をつけたのは誰だ。なんだこれ。シリーズ物のサブタイトルか。「名探偵コナン 天才ヴァイオリニストと消えた旋律」てか。
もはや芸術的価値を貶める犯罪的行為とさえ言えよう。
まず〝天才ヴァイオリニスト〟などという、口にするのも恥ずかしい露骨で下世話で幼稚な言葉を使ってしまっていることからして神経を疑う。〝消えた旋律〟に至っては意味不明。失踪のことを指しているのか? 旋律ってのはメロディーだが、特定のメロディーに焦点が当たることはないから、ただ雰囲気だけでつけたのは明白。この映画の何が売りどころなのか、プロモーター君にはわからなかったのだ。
『The song of names』が原題。見た人には納得のいくタイトルだ。names と複数形になっているところがミソで、ここをうまく表現できないとダメ。「名前の歌」ではね。それでもまだ現タイトルよりはましだが。まあしかし、邦題に膝を打つ作品が少なくなった。今回のはあまりにトホホすぎて映画がかわいそう。仕事が雑過ぎるんじゃ。

くーにー62