「落ち着いたよい作品」天才ヴァイオリニストと消えた旋律 ハルヒマンさんの映画レビュー(感想・評価)
落ち着いたよい作品
騒々しい作品が多いなか、落ち着いたよい作品でした。
ユダヤ人に対する抑圧、弾圧を描いた作品は途切れなく作り続けられます。マルクスはお金による支配から人間を解放しなければユダヤ人問題は解決しないといいましたが、このように民族の記憶を執拗に伝承し続ける以上、マルクスの考えはおおむね正しいとしても完全ではないと感じます。
この作品は、歴史を知る人、音楽を愛する人にとっては非常に印象に残る作品だったのではないでしょうか。主人公の境遇とヴァイオリンの音色のすばらしさが涙を誘います。最後のヘレンの言葉は、この作品の重さを倍増させます。ヘレンにスポットを当てても一つの作品が出来上がると思いました。
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