「母親への憎しみボルテージは中々」RUN ラン J24さんの映画レビュー(感想・評価)
母親への憎しみボルテージは中々
サイコスリラー作品としてはまぁそれなりに楽しむことができたかな。
主人公のクロエは下半身麻痺、糖尿病、心臓疾患、喘息をはじめとした5〜6つくらいの病気を患っている。その為車椅子生活を送り薬も欠かせない。
そんなある日母親の名前のラベルが貼られた薬を見つけその薬をなぜか自分が飲むことに違和感を覚える。
そこでその薬の正体を調べると犬用の薬だと知る。そしてその薬を人間が飲むと下半身が麻痺する症状出ることを知り自分が病気なのは母親に毒を投与されたからだと気づき母親からなんとか逃げようと、そして母親は娘に自分の正体を気づかれたことでなんとか家に閉じ込めようと最後は鬼ごっこする作品である。
まぁストーリー内容としては特別新鮮味はない様に思える。
予告の有無に限らずまぁ母親がヤバい奴だということは序盤で気付かされる。
17歳の娘にスマホはおろかインターネットすら使わせてあげない環境は中々の虐待だろう。
特別母親と衝突などがあったわけではないがクロエが母親を疑う展開も早く、早い段階でクロエVS母親の構図ができ忍び寄る母親の存在が時には恐怖に感じ面白い。
最終的にクロエは本当の娘ではなく病院から赤ちゃんを盗んだ挙句、自分の下から離したくないから毒を与え病弱させたという展開もまぁあまり驚く様な展開ではなく、その他の展開もあまり捻りは感じなかった。
ただテンポが良くそして母親への憎しみボルテージはストーリーが進むにつれていい感じで増していく為とても見やすい。
最後は警察に捕まり、きちんとクロエが同じ犬の薬を母親に投与し同じく下半身麻痺に苦しむ姿で終わるところはなんかスッキリさせられる。
この作品の母親ダイアン程はいないにしても自分の子供をいつまで経っても子離れできずまるで物の様に扱う親って確かに目にすることはある。その病的な部分を最大級に表現したのがダイアンである為胸糞悪さの刺激はどこか現実と照らし合わせながら見ることもでき非常に上手かったと思う。