「ケリを付けないと前に進めない過去がある」プロミシング・ヤング・ウーマン カツベン二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ケリを付けないと前に進めない過去がある
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英国人女性監督のオリジナル脚本で、骨を断たせて骨を断つ、究極の刺し違え映画。
事件当時の関係者の記憶や思い入れの程度、反省度合いを確認し、親友と同じ思いを感じさせメンタルを揺さぶりながら弄ぶように復讐を実行して行く流れは主人公の知性と相まって非常に良く練られた脚本だったように思う。
凶器も血しぶきもなく、パーティー動画や死に顔さえも作中で見せる事をしなかったのは、それが売りではないという監督の強い意志を感じる。
広い路上の真ん中で立ちすくむシーンは主人公の孤独や罪悪感との戦いの中で押し潰されそうになりながら必死に耐えているという象徴的なシーンだが、作品のアイコン的ショットで非常に印象に残った。
主役のキャリー・マリガンは自分にとっては年齢不詳の女優さんだが、時折り見せる子供っぽい表情は若いときのゴールディホーンを思わせ、贔屓の女優になりそうな予感がした。
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