「全身全霊の復讐劇」プロミシング・ヤング・ウーマン J24さんの映画レビュー(感想・評価)
全身全霊の復讐劇
全国公開日よりも1週間早くTOHO日比谷にて先行上映が行われてるとのことでこの度先立って鑑賞。TOHO日比谷ではこの様な先行上映が度々行われる作品があるのでファンとしては毎度感謝の気持ちで一杯だ。
主人公のカサドランドはもう成人してだいぶ経つ年齢だが(具体的な年齢の描写はなかったが30歳超えたくらいか)近くのカフェでパートの様な働き方でいまだ両親と実家暮らし。
大学も医学部を中退し両親とも会話が少なく隠し事の多い生活を送っており両親も心配している。
そんな隠し事の一つにバーなどで酔っ払ったフリをしてわざと持ち帰られるフリをして、部屋で2人きりになったら相手を脅しそれを手帳に数を記録するサイコパスな日常を送っている。
そんな中ある日大学時代の同級生ライアンと出会い恋に落ち付き合う。その同級生で出会った事でなぜカサンドラがこの様なサイコな日常を送っているかが明らかになる。
結論としては幼なじみの親友ニーナが大学時代に同級生からレイ●の被害に遭いそのショックで死んでしまったようだ。追う様にカサンドラも自身にも責任を感じ大学を辞めいまだにその事件に囚われてしまってるが故の日常なわけだ。
そこでライアンと出会う事でニーナに被害を与えた同級生に直接復讐を与える事ができるチャンスだと捉え行動に出る。その過程の中でライアンも傍観者とはいえ加害者の1人である事を知り絶望し、最後は自分の命を落としてまでニーナ事件の加害者達に復讐を与える事で作品は終わった。まさに全身全霊の復讐劇であった。
公開前の情報として予想を絶する結末がみたいな記事をいくつか目にしたが率直な感想としてはその点においてはあまり感じる事はなかった。登場人物も少なくまた冒頭から一貫して過去にレイ●被害か何か大きなトラウマを抱えてる事がわかる描写が続く。
その為最初のサイコな行動の動機にも特に予想を超える事もなければライアンの存在もまぁ予想の範囲内の人物設定だった為この辺りのサプライズな展開はあまり楽しめなかった。
そうなるとカサンドラのサイコな行動に注目したくなるのだが、行動自体はサイコかもしれないがその行動描写も詳細に描かれているわけではないためイマイチピンとこない。
復讐劇としては全体的に満足感が若干薄めだったかなといのが率直な感想であったが、ただカサンドラは復讐をやり遂げるという執念でなんとか生きている事はできたがニーナが死んでしまった時、そして大学を中退した時点からもう彼女は死んだと同然だったのだろう。その為殺される事で復讐を果たしそしてニーナと同じ所にいくことができたのは本望だったのかもしれない。
その辺りの切なさは楽しめる作品だった。
ただ音楽の使い方だったりこれから行動に出る時の描写なんかはかっこよく描かれていて惹きつけれる。
期待値が少し高まり過ぎてその期待や想像を超える事はなかったがそれでも十分楽しむ事ができる作品ではあった。