100日間生きたワニのレビュー・感想・評価
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監督はがんばったと思う
世間的には酷評されていますが、個人的にはそうは思いません。
原作自体、「100日後に死ぬワニ」というタイトルで、一日一コマ、ワニくんの平凡な日常をひたすら描写していき
100日後にどういう結末を迎えるのか(ホントに死ぬのか、どう死ぬのか、この友達たちはどう受け止めるのだろうか)という想像を伴った楽しみのあるコンテンツでした。
その楽しみ方の性質上「どうなるの?」という結末・ネタバレが最大の禁忌であり、
だからこそリアルタイムに毎日1コマずつ発表していくという形式とベストマッチしていました。
原作の方が終了し、このコンテンツを知っている人はほぼ全員が結末を知っている人になります。
※そしてコンテンツを知らない人はあえてこの映画を見に来ません…。
そうすると「平凡な日常」シーンは、本当にただの寒い日常ネタになります。
ネタとはいえ、何かを風刺するでもなく面白いネタをするでもなく、何かを誇張しているわけでもないので笑いどころがありません。
結局、オチのために進んでいくコンテンツなのに、ネタバレを知っている人に見せるのでただただ寒いものになります。
ではどうして個人的には「酷評」されるべきではないと思うのか。
それは敗戦処理のうまさです。監督の腕前です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、100ワニのコンテンツは一時期、各局テレビが取り上げるくらい流行りました。
その上でクライマックスである100日目、最後の100コマ目を出した直後に露骨すぎる「書籍化決定!映画化決定!グッズ販売開始!」という商業を繰りだして
それまでコンテンツを楽しんでいたファンの大半を敵に回すという最悪の結末を迎えたコンテンツでした。
その時点では映画化が決まっていたのでもうやめられません。さらに製作費は酷い低予算だったようです。
上記の通り、原作そのものがオチのためのストーリーだったのでそれだけでは映画たりえません。かといって原作のストーリーそのものを変えるわけにもいきません。
監督はおそらく悩みに悩みぬいたと思います。
そこで「やってはだめなこと」をパズルのように組み、その上で映画として成立させるためにはどうすればいいかという命題をクリアしたのがこの形式だったのだとも思います。
「あのケチがつきまくった100ワニというコンテンツをどう映画として処理するのだろう」という疑問を基に視聴すると、
とても納得のいく作品になっているのではないか、低予算でこれ以上の100ワニ映画を作る方法など無いのではないか。そう考えさせられる出来です。
上田監督は「カメラを止めるな」でパズルを解いていくような快感のある映画を撮った人であり、
そして、今回は予算・原作の縛り・映画としての成立など、そういう制約のパズルをこう解いた、という作品を出してくれたのだと思いました。
デビルマンのような素人演技に予算をぶっこんだような作品とは異なります。
ドラゴンクエストYSのような子供の頃の懐かしい思い出を土足で踏みにじったような作品でもありません。
これは100ワニ映画化という命題を全力で乗り切った監督、制作スタッフたちの努力の結晶なのです。
それはそれとして、オチを知っていて見る話ではないという原作の本質は変わりませんし、
映画の冒頭でオチが出てくるので、コンテンツを知らない人でも同じような虚無感に包まれながら映画を見続けることになります。
諸兄におかれましては、あえてこれを見に行く理由がないのであれば映画代と1時間半をもう少し有意義なことに使うことを推奨します。
最後に、
つきあいか何かでどうしても見なければならない、あるいは好奇心でチケットを買ってしまったけど、圧倒的不評を前に無為な時間を過ごす虚無感に襲われている方。
脳内でこういう茶番を妄想してみてください。
「100ワニを映画化するんですか!?」
「せや。アチアチポイントが二つあんねん。ひとつは原作のストーリーは改造せぇへん。原作改変は原作のファンが嫌がるさかいな」
「は!?…いやいやいや、あれはもう大炎上して…」
「もうひとつは豪華なキャストや。主役があの神木くん!ほんで大人気のいきものがかりにED歌ってもらうねん。これはアタるでぇ」
「そりゃ大人気な方々ですが、映画はそれだけで売れるものでは…」
「どや、やってくれるやろ」
「ええええ…」
後日
「あかん。映画宣伝が早すぎて大炎上してしもた。スポンサーも金出してくれんようになってしもた」
「は、はぁ…」
「せやけど一回告知してしもたからな。なんとかこの予算で。な!な!」
「こんだけ豪華なキャストを使うのに、この予算!?」
…はい。こういう視点をもって視聴すると、なかなか良い時間になるのではないでしょうか。
せつない物語
優しさが詰まったお話でした
ちゃんとした作品だった…と書かなきゃいけないことが悲しい
TOHOシネマズの「TOHOウェンズデイ」の割引で観ました。
正直興味本位でしたが、結論から言うとそんな悪くなかった。
話自体は基本日常生活なので、特段起伏があるわけじゃない(ワニの死も直接は描かれない)が、特に前半は「あんな楽しそうにしても死ぬんだな」と思い、なんとなく緊張感があった。よく「カウントダウンだから意味がある」という意見があるが、私は映画は映画なりにその感じはしました。
後半もまあ仲間が死んだらそんな感じだろうな、という感想です。特段変わった話ではない。ただカエルは途中までチャラさがちょっとウザかった(笑)。最後まで見れば気持ちはわかりますが。
日常生活を淡々と描くような映画はたまにあるので、それの絵本版という感じです。
批判の中には「紙芝居」「作画崩壊」と言っている人がいますが、それは分かってないと思います。もともとの作風を活かしたらあのような感じです。こと最近は緻密なアニメが多いので物足りないのかもしれませんが、ちゃんと動きはありますし、むしろあの絵でヌルヌル動いてたら不自然です。
マイナスポイントといえば、まず、あのカエル。変にリアル感があるので、ウザさが増幅される。他のキャラみたいにしなかったのが気になってしまう。
あと、「作画崩壊」まではいわないが、ちょっとおかしな点も。
まず、ワニの家で記念写真をセルフタイマーで撮るシーン。テレビの上にカメラを置いてるけど、そのテレビ、薄型じゃないの?
それから細かすぎることだけど、ラーメン店のシーン。店内の背景に張り紙があるんだけど、それには「ライス」としか書いてないので妙に気になります(笑)。その下に何らかの文章のような点々が書いてはあるんですが、ライスだったら「無料でおつけします」とかじゃないの? そのぐらいはちゃんと書いた方が不自然でないのでは。
あと、題字や途中の日時経過はともかく、エンドロールまで"味のある"手書きの字(きくち先生の字?)だったけど、そこまでするのは…。エンドロールは普通にゴシック体の方が締まって見えたのでは?
重箱の隅をつつくようではあるけど、手抜き感も感じてしまうので気になりました。
結論を言えば、ネットで言われているようなひどい作品ではなく、騒動がなければそこそこの評価だったのではと思います。
最後に。ここのレビューで見もしないで評価をつけたり、関係ないこと書いている奴は作品の良し悪しに関係なくやっちゃいけないことしてるのでバチが当たってほしい。
さようならワニくん
みんなの心にワニくんはいるの?
ちまたでうわさの「100ワニ」を見た
自分は原作をよく知らず、当初この作品を観る予定もなかったけど、一部の人たちから随分と酷評されている旨のネットニュースを見て、逆に興味が出たので、真相を自分の目で確かめるべく劇場まで足を運んだ。結論としては、普通に良い作品だった。
最初は映像の荒さが目に付いたが、そんなのはすぐに見慣れたし、ストーリーの進行に伴って愛着すらも覚えるようになった。
ストーリーはシンプルそのもので、特に目新しい要素とかはないけれど、俳優の素晴らしい演技が、映像に命を吹き込み、作品の世界観に奥行きを与えていたと思う。キャラクターが実に魅力的でイキイキとして見えた。まぁ、自分の場合は原作をほぼ知らずに、軽い気持ちで見に行ったので、それが逆に功を奏したのかもしれないが。
あくまでも個人的な見解だが、酷評している人達は、少しややこしい事を考えすぎているのかなぁと思う。あるいは期待値が高すぎるとか?まぁ、せめて映像の方はもう少し…という気持ちも分からなくはないが、「これも含めて、原作の素朴な世界観を壊さないための演出」と考えれば、納得できなくはないし、少なくとも酷評されるほど悲惨な出来ではないと思う。すべてが簡素なところも「素朴な作品」として素直に楽しめば良いのだ。
そもそも、大ヒット作を殆どそのままの形(?)で映画化しているのだから、そこまでろくでもないものになるはずが無いし、映画版オリジナル(?)の後半部分も上手く収まっていたと思う。
まぁ、すでに原作を充分に楽しんだ人が、あらためて金を払ってまで見る価値のある作品か?と問われると、答えに窮するところはあるけれど、自分のように原作を読んでいない人にとっては、楽しめる要素が沢山ある良い作品だと思う。これで、チケット代が半額ならなぁ…って感じ。60分間の上映でこのクオリティのアニメーションでフルプライスはやっぱり高い。その点については明確にマイナスポイントだな。
題名しか知らないけれど…
良い要素も無くはない
客観的な評価で言いましょう。
日本の映画史に名を遺す稀代の駄作であるところの実写版『デビルマン』。それと比べれば100日間生きたワニは遥かに観賞物として見る事が出来るようになっています。デビルマンは演者が素人を無調教で連れてきたかのような酷い状態でしたが、この映画に関しては皆さん精一杯打ち込んでいる事が分かります。演者のファンの方なら見る価値が上がるので採点+1~1.5はされるでしょう。
以上、褒められる点全てです。
以下、悪い点。
シナリオは動きのない展開の連続、アニメーションは作画枚数の少なさを体感できる程度に動かない。新キャラのカエルは、これを使ってやりたい事は理解できるが不快さや無神経さに目を覆いたくなるばかりでその結末についても全体的なチープさのせいで心に訴えかけてこない。
それとSE。
何ですかね、アレ。全体的に効果音の質が低い気がします。映画館って言う自宅では再現の難しい高度な音響設備を備えた所で上映する映像作品で何をやらかしているんですか。
客は時間と金をドブに捨てに来ているんじゃないですよ?
誠意が足りないです。
見た当日は憤りと失望で涙すら出ました。
そもそも100ワニは何度もリバイバルするような類の面白さじゃなかったんですよ。
こんな当たり前の普通に生きているワニが、その実最初から死ぬ事を定められている――しかし、結末は分からない(本当に死ぬのか?)っていうリアルタイムで隣にいる共感と結末が分かっている無常感とそれでもどんでん返しを期待する気持ちがあってこそ面白かったコンテンツであって、それをこんな既読者向けの内容でまた走らせる必要がない。
作ると決めたのなら何が受けていたのかちゃんと考えて下さい。
『100日間生きたワニ』のきれい版二次創作
時間の無駄でした。
キャラクターと声で楽しんで。
とにかく癒された
なるべく公平に
これから見る人に伝えたい点は三つです
一つ目はこれはアニメーション映画ではなく紙芝居だと言うことです
開幕の花びらが舞うシーンですら後ろは動かず桜のアニメーションだけが舞う感じでした
二つ目は前半がTwitterでの漫画の復習だったということです
他の方が言うほど後半はストーリーとしては悪くありません(10点中2点 0は私ならつけません)
ほぼ30分間元々知っていることを延々とやり続けるので正直早く帰りたくなりました
三つ目はおもしろおかしくしようとしてる劇中のあらゆるセリフがかなり寒いです
深夜にやってる痛いギャグよりアニメの10倍は酷いです
一応お金が無駄になることは覚悟してから行ったほうが宜しいかと思いますが、行ったら行った人が周りにいたら悪口で盛り上がるかとは思います
個人の感想です
この作品が伝えたいことは、主に以下の二つであると思われる:
1. 命の大切さを伝えたい。
2. 主人公が死ぬまでの時間を意識させることで、生きている時間が有限で、価値あるものなので大切にすべきだと伝えたい。
以上のメッセージは、作品そのものだけではなく、原作者さん自身の作品に対するコメントの抜粋
"「終わり」があるということを人それぞれが改めて意識したら、今何をすべきなのか、考えや行動が、よりよい方向に行くのではないか?と思った"
であるとか、いきものがかりが作品の終了に伴って配信した楽曲 "生きる。"からも窺い知ることができた。
しかしながら自分には、作品を通じて上のメッセージを発信する試みが失敗しているように感じられてしまった。
主人公のワニは、死ぬまでの100日間を基本的に無為にダラダラと過ごしている。優しい性格で、人に迷惑をかけないような生き方ではあったが、遊び仲間と享楽に耽ってばかりで、精神的向上心を見せることもなく、はっきり言って愚鈍な生活に関する描写ばかりが目立っていたと思う。このような生活描写に基づいて、2. のように有意義な生き方をすべきだと鑑賞者に思わせようとするのは無理があると思う。
"主人公のワニは無為に時間を過ごしたまま死んでしまったが、鑑賞者の皆さんはこうならないように時間を大切にしましょう"
といった感じで、ワニを一種の反面教師に仕立てて、逆説的にメッセージを伝えようとするのであればまあ理解できると思うのだが、この作品では、
"一般論として命は大切で、身近な人の死は悲しい"
という 1.のような自明な倫理観に基づいてワニの存在を全面的に肯定しており、その上で2.のような形で生への賛美を伝えようとしているように思えてならず、それは破綻していると思った。自分にとって、ワニの生き方は両手をあげて賛美できるようなものではなく、描写されている100日間がその人生の全てなのだとしたら、"考えや行動が、よりよい方向に行く"という行動原理にしたがって一生懸命生きているようにはとても思えなかった。
以上の理由から、この作品を通じて、道徳の教科書に書いてあるような生命に関する倫理観が無理やり押し付けられているように感じ、自分は強い拒否感を覚えてしまった。
一方で、上の感想は、読者がワニの生活描写を受け入れられるかどうかに関する主観的な問題に負うところが大きいので、肯定的なレビューを書く人がいてもいいと思う。
ワニ「俺が死んでも代わりはいるのか…」
今日はね、久しぶりに友とカラオケ行く約束してたんですよ。そしたらね、「3時間待ちです」って言われまして。別のカラオケ店に電話したら、一向に電話を取る気配なし。
さてどうしようか?あ、昨日youtubeで「100ワニの止め絵率がすごい」って動画見たから、確認しに行こう!ってことになって。映画ドットコムで上映劇場を探すと・・・ぅぁ、福岡市近郊って1館しか上映してねーやん(´;ω;`)ウッ…めげずに渋滞をかき分け、車を飛ばしてキャナルシティへ!まぁね、平日並みの入りだったかなぁ。
ここからやっとレビューですm(__)m
私は「100日後に死ぬワニ」はラスト3回しか見ていません。ついでに、映画を見て泣けた事は一度しかないです。そんな奴の感想ですから大目に見てくださいまし。
まずは止め絵ですかね。正直、300枚ってことはないです。320枚はありました。てかそんなに製作費なかったん?だったらさ、「劇場版鷹の爪」みたいにネタにすれば良かったのに。画面右に「製作
費残りメーター」を表示して、残り僅かになったら、「ギャラ払えないよ~」とか言いながら監督夫妻が声あてたりすれば3人くらいは笑ってくれたかもよ。というかね、あの絵柄で劇場の大画面は無茶っしょ。なんかさ、のぺーっとした人物?動物?が微妙に動いてるのは見ていて切なくなる・・・。
だったらストーリーはどうなん?100日間のエピソードを結構切り抜いてるみたいだけど、劇場版ならどれかのエピソードに重点当てないと、ほぼ初見の私には薄っぺらくあらすじを見せられてる感じしかしなかったです、はい。
で、後半に現れる「空気読めない蛙」ですか。こいつ必要かな?まぁ監督はワニの代わりにしたかったんだろうけど、それでいいのか?代わりの人が見つかりましたので、みんな元の明るい性格に戻りました~って。ワニ君はきっと綾波レイ張りに「私が死んでも代わりはいるから」って草葉の陰で泣いていることでしょう。
結論、安い日かポイントで見るなら私は止めない!
匿名
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