劇場公開日 2022年1月14日

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「ロボットってなんでいつも横分けなんだろう」アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド 今日は休館日。さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ロボットってなんでいつも横分けなんだろう

2022年1月25日
iPhoneアプリから投稿

昔のロボット映画は「人間の感情が計算できない」とか「論理に支配されて人間と共生できない」みたいな展開が定番でしたが、最近の技術の進化ぶりからすれば、それこそリアリティがないわけで。そんな時代を背景に、もうずっとロボットが上位にいる感じが、今作の新味のある視点。

あっという間に周囲の人間や環境に適応し、“人間みたいなロボット”を受け入れられない人間を慮り、あえてロボットらしく振る舞うなんて事までできる。
人間との違いに苦悶したり、自我を発露して個人的な自己実現を目指すこともなく。あくまでもロボットとしての立ち位置を遵守し人間と共生を目指す姿は、もはや完璧に近い。

そんな「完全なロボット」と「不完全な人間」の対比が一貫したテーマ。そして作品は「人間が他者(人間)に求めるものこそが空想であり、ロボットが人間に提供するものこそがリアルである」と、既存の概念をひっくり返しにかかる。人間が人間に求める“人間らしさ”って何?そもそも本当にそれいるの?と問いかけてくる。

それでも人間を求めるのかは個人次第。
主人公の裏腹な態度が示唆する、素敵なエンディング。

とまぁ固く語るとこんなんですが、一方でこの作品、「これまで学問に勤しんできた奥手女子が、突然、性癖突き刺さりまくりのスーパーイケメンロボと同居して、抵抗虚しく毎晩悶え死ぬ」というラブコメ的な受け止め方をしても、とても楽しい。薔薇風呂、本当はお好きなんでしょ?

何にせよ、よくできてございます。見て損なし。

今日は休館日