「思ったよりも笑えないし、思ったよりも難しくて考えさせられる」アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
思ったよりも笑えないし、思ったよりも難しくて考えさせられる
アンドロイドやAIとのラブストーリーってなぜか惹かれてしまう。元々SF的な話が好きだってのはあるが、そこにどんな物語が生まれるのか予想がつかないということも大きく影響しているかもしれない。
本作はまさにそんな話。実験として理想の男性をアンドロイドにしてお付き合いをすることになった女性の物語。アンドロイドとしての奇妙な言動や、人間ではないことへの違和感や、アンドロイドの彼を受け入れることへの抵抗感が描かれているものの、なんか今ひとつわかりづらい。退屈で眠くなるくらいに。
アンドロイドのトムを作り出した過程がわからないから、彼女にどんな経験や思いがあったのかが伝わってこない。後半それは徐々に明かされていくのだが、、そんなことを踏まえてトムを作りましたよって感じで来られても戸惑ってしまう。結果的には主人公アルマもトムにハマっていくという展開なのだが、これってダメなことなのかなと思ってしまう。
相手の望むことをしようと行動し、相手の趣味趣向に合わせてしまうという行動は多かれ少なかれ現実の男女が行っていることでもある。それが完璧すぎると、そこに作為的なもの感じて嫌という感情が生まれてしまう。そんな面倒くさい人間の感情に踏み込んでいるということか。
そうなってくるとアンドロイドが人間の男女のパートナーになれるのかという問題だけが残る。しかもセックスも普通にできるなら何を問題にするのだろう。そこに必要なのは旧来の常識から脱却し、割り切りみたいなものを身につけないといけないということなのかもしれない。
あー、そんなこと考える映画だとは思わなかった。ドイツ映画ってどんな雰囲気なのかがわかりづらいからやっかいだな。