「それが人間よ」アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド MARさんの映画レビュー(感想・評価)
それが人間よ
膨大なデータから女性を幸せにする術を限りなくインプットされたアンドロイドと、恋愛に興味が無いと言う女性の交流を描いた作品。
まず、トムの役者さんのほぼ人間でありながら絶妙にロボット感が出ちゃってる風の演技がお見事!!
93%の確率を信じ、とにかくロマンティックな雰囲気を作り出そうとするトム。
良いですねぇ~。。バラいっぱいのバスタブに、泡を割るように脚がのぞき・・・どこか艶っぽいイチゴを摘まむ指先・・・その姿は・・・って、お前かいっ!!
ここちょっと笑った。
話の主な内容はと言うとまぁ想像通り、ロボットだからと言うことで関心のなかったトムに対しアルマがはまってしまっていく・・・といった所。
それでも色々と考えさせられますねぇ~。
確かに、見た目人間で自分の欲求を満たしてくれるならそれは良いことのように思えるが、、、朝を迎えたアルマの言葉は胸に刺さった。そうか、全部自分との対話か・・・何だかトムも可哀相に見える。でもそれすら感じないのか。
それでも、鍵はしばらく預かってのくだりは少し心が救われたような、より哀しくなったような・・・複雑!
キャラクターも皆良かった。トムがいることで他の皆がホントに人間臭くみえて、何だかいとおしい(笑)
その他、幸せになった初老学者さんや、脇役も良い所なのに核心的な台詞を放っちゃう警察さんだったり。そして鹿ですよ。
クライマックスに向かう流れは秀逸。倫理的な問題もありますからね~。アルマの考えもまとまったのかな・・・からのラストシーン、ここしばらくの作品の中でもベストかも!?
全体を通し、物語も面白かったと共に、幸せと哀しさ、虚しさだったり、自分だったらどう思うかな~なんて考えながら楽しめる良作だった。