「リップスティック」白い牛のバラッド ソルトさんの映画レビュー(感想・評価)
リップスティック
印象的なのは主人公が2度、口紅(リップステック)をつけ、あるいは心をゆるしかけた男性のもとへ行くシーン。そして記憶に間違いがなければ最後の食事の場面に出てくる。
抑圧された女性の心の描写を表すのに、こういうシーンは効果的なのだ。
古くはまたスタイルは違うが、アメリカのヘミングウェイの孫だったかひ孫だったかのマーゴ・ヘミングウェイのデビュー作「リップスティック」が思い浮かんだ次第。
しかしイランの女性監督兼女優の描いた世界は、なんとも重っ苦しいシーンが続くので、トップシーンの白い牛が登場するシーンに後から思いを馳せると深い意味が提示されている。
何もかも失い心の寄る辺を失った人が、ここからどこへ行こうと社会自体の問題に行き着くというところが、なんともやるせない。
余談:フランス合作なので、ルージュというのが正解かもしれないですが・・
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