仕掛人・藤枝梅安のレビュー・感想・評価
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裏稼業は所詮モヤッとする
2023年劇場鑑賞29本目。
仕事人とか仕掛人とか暗殺者系の時代劇は卑怯な感じがしてあんまり好きじゃないのですが、佐藤浩市が出ていて二部作ということで壮大な感じがして鑑賞。あっ佐藤浩市一部に出てねぇ。
分かりやすい大悪党が悔やみながら死んでいく、なんていう展開は全くなく、いつの間にか殺されているし、なんか依頼主にだまされたら簡単に罪のない人殺しちゃうシステムなので全然スカッとはしないですね。
仕掛人とはあまり関係ない若侍の話なんか入れないでもうちょっと短くても良かったのかも。
気に入らなれば依頼を受けてなくても殺すし、でも依頼を受けていれば殺したくなくても殺すというのがブレていて気に入りませんでした。片岡愛之助が演じていた仕掛人の方がそういう意味では筋が通っていたかな。
あれっ、1人有名俳優エンドロールにいるけど記憶にないな、暗闇で殺された商人の誰かか?と思ったらエンドロールの後にガッツリ出てきました。しかし帰りかけの人映像始まったのにそのまま帰ってたな・・・。
時代錯誤なストーリー
江戸時代を忠実に再現してる感じや美味しそうな和食の数々、豪華な俳優陣など全て良かったがストーリーがカス
昭和の梅安はそれで通用したかもしれないが、現代で製作してるのだからアップデートして欲しかった。
毎回犯された女性を自害させるのはなに?なんで死なないといけないかわからない。てか被害受けた女性全員レイプなのもなに他にも強盗とか詐欺とかあるじゃん。殆どの依頼内容がレイプに絡んでるの時代錯誤にも程がある。
仕掛け人や鶴に男しかいないところも酷い。
江戸時代は男がメインだから時代に沿わせてるってか?
いやいや仕事人とかは女性だっている。
女性の役回りが全部被害者なところも現代に則してない。
フェミニストなわけではないが、女の扱いがあまりにもひどい作品だった。
悪人たちの死顔、仕掛人の表情が物語に決着をつける
皆さん、まだ帰っちゃだめですよ!
中高生の頃、テレビドラマの「必殺シリーズ」を毎週楽しみにしていました。当時はテレビ時代劇も一定枠で必ず放映されていて、且つ、面白いものも多かったのですが、そんな中でも外連味もあり、お色気もあり、必殺技ありで金曜22時が待ち遠しかったものです。そんな私に7つ上の兄から「緒形拳の必殺仕掛人は面白かった」と教えられ、その後、NHKで放映された『真田太平記(85)』をきっかけに池波正太郎にハマっていきます。
89年にはフジテレビ系列で二代目中村吉右衛門による『鬼平犯科帳』が始まり、そして91年には渡辺謙の『仕掛人 藤枝梅安』が放送され「梅安」に魅了されます。さらに萬屋錦之介、山﨑努の『雲霧仁左衛門』や藤田まことの『剣客商売』など、「フジテレビ×池波正太郎作品」に今考えると非常に贅沢で良い時代だったと思います。
そして、今作に対しては多大な期待は持たないようにしていました。と言うのも、やはり原作への印象があり、さらには過去作との比較をせざるを得ず、当然気になるのがキャスティングです。「今回は豊悦に愛之助か」程度の前情報で土曜午前中の丸の内ピカデリーへ。客入りは、、相変わらず観やすいけど運営が心配になる「まばら」状態です。正直、そこを狙っての当館でもあるのですが。。
映画が始まり、まず挨拶代わりの一つ目の仕掛け。うーん、そう行きますかね?とちょっと心配になりつつ、また、知っているキャラクターなのに見慣れない役者の演技に警戒しながら観続けます。そんな私を物語に惹き込んだのは天海祐希さん。姐さん、やっぱカッコいいっす。
そして盛り込み過ぎてスペシャル感否めないながらも、なんとかまとまりを持たせた展開の脚本に、最早、豊悦=梅安に違和感など感じず、さらに中盤以降は(個人的に)泣けるシーンも幾つか。
池波先生にとって、長編シリーズで一番苦労したのは稼業が殺し屋である主人公の『仕掛人・藤枝梅安』だったそうで、針医者という善行でバランスをとりつつ、苦しみながらも「今年も死ななかった」と生き続ける梅安に染み入ります。
また、今作も池波作品に欠かせない「料理と飲食シーン」にお腹が(本当に)鳴りやみませんでした。もっと湯豆腐も観たかったけど、彦さん、京都で楽しむかしら?
最後、エンドクレジットを観ていて「出演順」と配役を見ていくと、最後に「あれ?彼はどこで?」という名前が。するとエンドクレジット後にシーンが再開します。そうそうこれは2部作の第1部。で、そこに出てきたのがその方、第2部の中心人物の一人。なるほど、道理で。第2部も必ず劇場で観ます!
豊川悦司は昔から好きだったけどこの頃は若いイケメン達に目移りしたり...
豊川悦司は昔から好きだったけどこの頃は若いイケメン達に目移りしたりして…
これは良いです。確実に年はとっているのですが、何とも言えない色気がダダ漏れで。
あの立ち姿、声、喋り方、仕草、全てが良いです。台詞の一言一言もグッと来る。
そして天海祐希さん
すごく綺麗で迫力があって、これまた何とも色っぽくて魅力的。
菅野美穂もいい。少し地味な役だったのかな?でもいい味出してるなと思いました。
板尾創路はちょっと…どうかな?違う人ならもっと盛り上がったのでは?私は個人的に悪役をやる稲垣吾郎が好きなんだけどな(ごめん)
最近凄みのある悪役の人ってなかなかいないなぁ。
あと料理が良く出て来るが最初の鰹節を削って食べる辺りから美味そうで、他にも次々と美味しそうな物出て来てお腹が空いて来た😂
どのシーンも無駄が無い。懐かしい感じの風景や最後のコタツのシーンまでホッコリしたり緊迫したり泣いてみたり
梅安は昔から何人かの人が演じたと思うけど、もうトヨエツ以外考えられない気がする。
切ない
梅安シリーズは
メシが旨そう
ただ血が繋がってるってだけさ
彦さん今夜は泊まっていきなよ。梅安さんにはかなわねえな。コタツで横になった愛之助にそっと羽織をかけるトヨエツ。そんなメイン二人の静かなブロマンスが見どころ(なのか?)。先日鑑賞した、そして僕は途方に暮れるのクソダメ親父ぶりでシビれさせてくれたトヨエツが、今度は坊主頭と赤い長襦袢、黒の晒でぐいぐい魅了してくるのである。トヨエツが菅野美穂を抱いた後に肩を揉むシーンがめっちゃエロかったのだけど、正直、菅野へは女将の情報を得た対価としての奉仕にしか見えない一方で、愛之助にかける言葉には甘さが含まれていて、トヨエツの声が微妙にオクターブ上がってるような気すらした(個人の感想です)。
池波正太郎は剣客をちょっと読んだぐらいでこの梅安もタイトルしか知らないが、予告編のハードボイルド仕上げから期待。画面は寒々しいトーンかつ暗めの場面が多く、どこでも電気が通って夜でも明るい現代と比べて、当時の部屋の中はあんな感じだったろうとリアルに思えた。既定通りの展開ではあるものの、女を食い物する悪人の残酷な乱暴シーンなどはなく、最近のこの手の描き方のバランスとは思うけど、悪人ぶりが物足りなくもない。また、お涙頂戴の梅安の回想が何度も出るのは少しクドい感じ。
同じ時代劇としては、同時期公開中の東映の大作・レジェンド&バタフライは、まいっかとスルーなのだが、本作は、普段はハンバーグ&エビフライが好きな自分でも、さっぱりした味付けの湯豆腐やお粥でしっかり満足したというところ。京での続編も4月に観に行こうか、なあ、彦さん。
小林薫さま!
原作を読んでいません。
ここ数本、レビューを書く気になれない作品が続いていましたが、
ようやく!素直に面白いと思える映画を見ることが出来ました。
面白かった~。
ストーリーも適度に複雑だし、
梅安が女中のおせきと話したり彦さんと話したりする何気ない場面も面白かった。
ただ菅野美穂は、菅野美穂でなくても良かったんじゃない?って感じでした。年増役ってことでしたが、全然年増に見えない、可愛らしいしな~。
「あちらにいる鬼」に引き続き豊川悦司の映画でしたが、
豊川悦司な。
あの大きな手、大きな体にすっぽり包まれたい!って思う女の人は多いと思うが、
なんというか、豊川悦司って「オレは駄目なオトコだよ、だから何」って感じがするんだよね~。
その点!
小林薫さまは「オレは駄目なオトコだよ、へへ、すまねえな、だけどよ」って感じがする!そこが色っぽいなあって思うのですが!!どうでしょ!!
小林薫の立ち姿、背中が見たかったなーーー。(映画ではずっと座ってた・・・残念)
天海祐希が「浮世絵」顔ってのは納得!そっか、浮世絵の美人画ってこういう顔の人描いてたんやな~。
人間の罪と罰について静かに問いかけてくる
客観的に見れば〝暗殺〟でしかないのに、仕掛人は優しい天使のような死神です。
亡くなる人は、ほとんど苦しむことがないのです。
拷問のような痛み(肉体が受ける罰)も悔い改める機会(精神的な罰)もありません。
ただ、この世から静かにいなくなるだけです。
起り(依頼人)と元締め(仲介人)だけが、何が起きたか知っています。死んでいく〝悪人〟も何かの裁きや報いなのだと認識する前にこの世から消えていきます。
自分が起りだったら、なるべく苦しませて、自分の行いの非道さを悔やませてから殺して❗️と願うと思います。
仕掛人のやり方は、ある意味〝救い〟ではないのか?
そんな楽な死に方をさせるなんて…
どうせなら、市中に首を晒して、私はこんな酷いことをした悪人です、みたいな立て札を立てるくらいはして欲しい。
などと考える自分が、とても卑俗的な存在に思えてくるのです。
この映画は娯楽作品ではありますが、、人間の罪と罰について、時代劇の形で問いかける、とても宗教的な一面も併せ持ったなかなかの曲者です。
コ◯シの場面は美学すら感じる、だが…
時代劇ファンの友人が「トヨエツが梅安?!」とひっくり返ってたので、主演の方については結構な変化球キャストだったのでしょうか。
自分は帯刀している早乙女太一氏への絶対的な信頼感と、最近全方向に頑張りすぎな菅野美穂さんが気になりすぎて観に行きました。
で、結果、天海祐希先生にやられました。強い。うん。知ってた。
ストーリーはさすがは池波正太郎と言いますか。設定が面白い。
ただし、見せ場までの助走がかなり長いです。この作品の見せ場は梅安のコ◯シの場面だと思っていますが、その場面自体は確かに美学すら感じられたものの、それ以外はわりと平坦。
個人的に非常に残念だったのは、川井憲次氏を起用しておきながら、劇中の音楽がほとんど無かったことでしょうか。このシリーズ自体が過去作から元々そうである可能性もありますが、時代劇=壮大なテーマ曲&チャンバラの音の相乗効果だと思っていた私には、ちょいと静かすぎてしんどいものがありました。や、確かにコロ◯の場面でBGMをアガる曲にされても、困るものはありますが。
面白いか面白くないかで言うと、原作は読みたくなった(特に梅安とおせきのセリフで粋なやつが数点あったので)けれど、映画自体はどうしようかなーと。次は佐藤浩市氏が出ますけれど。
黒い天使がまいおりた!!
仕掛人や仕置人は、よく知らないのですが、私の好きなブラックエンジェルズの世界観に似ているので、随分前から楽しみにしていました。
針医者の藤枝梅安(豊川悦司)を主人公に、料理屋の万七を舞台に物語は進んでいきます。
どうやら、うろ覚えですが、この物語の伝達順は「起」→「鶴」→「仕掛人」となっているようで、物語の最後の「起」があの人物とはビックリしました。
静かな流れの中にゾクッとするような衝撃が伝わってきます。
終盤は、涙が溢れそうになり、エンドロールの字幕が滲んでいました。
やはり、豊川悦司さんに存在感があり、久々に登場の菅野美穂さんも魅力的でした。
エンドロール後にオマケ映像があります。第2部も期待しています。
食と料理の場面🍲
梅安さんと彦さんが二人で居るシーンが優しく暖かく一番安心して見ることができました。
トヨエツの高身長と大きな手と長い指と大きな足が梅安らしく合っていました。菅野美穂さん、いい役だけれど生い立ちや立場と言動と外見とが何となく微妙に合ってない感じ(「年増」は27~8、30でこぼこだと思うので菅野美穂でいいんですが、可愛らしすぎたのが急に蓮っ葉になってしまった?)で残念。天海祐希は顔も姿も声も台詞も肝の据わりようも決まっている。背負っている過去ゆえに歌舞伎の悪婆、毒婦の変型版。着物は縞を着て欲しかったけど大きな料理屋の女将だから縞じゃだめなんだろうなあ。最期のシーンは悲しくも美しいというしかない。
そして何と言っても池波正太郎!お料理と食のシーンの大切さがビシビシと伝わってきました。
悪役、脇役不足。台詞(内容と言い方かな)。景色。働いてるのに何をしていても着物がいつでもきれい。歩き方。チャンバラ場面。説明し過ぎ(海外での上映を意識しているから?)。時代劇に詳しくないけれどなんか違和感を感じました。でも気になるので続編も楽しみに見ます。
こりゃ、美味い!
こりゃ、上手い!笑
映画好きの私が唯一苦手なジャンル、それが時代劇だったのですが、本作は意表を突く面白さでした。豪華キャストから期待を上げ、その期待を更に上回るストーリー。ん〜、たまらん。こういうのが見たかった。
そりゃもう、こんだけの名優たちが1つの映画に集結しているんだから、楽しいに決まってます。豊川悦司と片岡愛之助は相性が非常に良く、そしてふたりの会話には情緒があって趣深い。仕掛人となると、目を鋭くし、静かに悪人を襲うふたりもまた、魅力的。菅野美穂は10歳ほど若く見えたし、なんたって天海祐希の色気が半端じゃない。堂々とした立ち振る舞いが看板を背負う女将にピッタリで、流石といったところ。凄まじいオーラを放っていました。
ストーリーもかなり濃ゆく、見応えあるもので、かといってそこまで難しくもなく面白い。時代劇というと、ある程度の知識が必要であり、教養が無い人であれば「何言ってんのかわかんない」ってなりがち(現に私もそのひとり)。だけど、本作ではセリフの全部が全部理解出来る訳じゃないけれど、話の筋は理解出来るし、訳分からんとは一切ならない。すごく絶妙な作りで、こんな時代劇だったらずっと見ていたいと、そこまで思えた。
陰と陽、善と悪、その対比が色使いや照明によって表現されており、大袈裟かもしれないが、芸術作品としても美しく、見とれてしまった。映画館で見るべきだ、いや、見て欲しい。そういう制作陣の思いが伝わってきた気がしました。料理もまた良い。エンドロールにはローマ字表記がされていたし、和食という文化からも外国でも高い評価得そう。
もっとスマートに、2時間以内に収めることは出来たんじゃないかとは思ったが、キャラクター、ストーリーの面白さは抜群で最高に楽しかった。この濃厚さ、他では味わえないね。物語は全て繋がっていた。伏線回収もお見事であり、ラストには目に涙が溜まる。良い意味で日本映画らしい、上品な作品です。
続編・「仕掛人・藤枝梅安2」は4月に公開されるということで、今からすごく楽しみ。前後編では無いため、本作だけでも十分楽しめるかと。時代劇か...と構えず、是非とも劇場でご覧になってください。オススメです。
時代劇らしい風格と情念の世界を楽しめる
梅安と仕掛人仲間とターゲットの女将が、過去に関係のある者同士だったというご都合主義には目をつぶるとして、時代劇らしい因縁と情念の世界が、陰影に富んだ深みのある映像によってうまく描き出されている。
梅安が、女将との関係にどう決着を付けるのかと思って見ていたが、やはり、そうするのが彼女のためでもあるだろうと、梅安の選択に納得することができた。仮に、彼女がターゲットでなくても、彼女との関係を知った梅安は、おそらく同じことをしたのではないだろうか・・・
プロの殺し屋であれば、悪党から、善人を殺すように依頼される場合もある訳で、当然、殺し屋は葛藤に苦しむことになるのだが、ここでは、そうしたところにもしっかりとケリを付けているのが良い。
誰かを殺したいのであれば、それを依頼する者も、殺しの元締めとなる者も、それが「正義」なのかどうかを自らに問い、命を懸けなければならないのである。
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