仕掛人・藤枝梅安のレビュー・感想・評価
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原作準拠でありつつ、新時代を切り開こうとする意欲と野心
これまでも池波正太郎の「仕掛人・藤枝梅安」は何度も映像化されていて、すべてを覚えているわけではないのだが、知っている限りでは飛び抜けて原作の雰囲気があった。梅安が美食に舌鼓を打つ食事シーンの数々、のんびりと語り合う梅安と彦次郎の日常、江戸市中からは離れている梅安宅の風景など、どうしても緒形拳主演の「必殺仕掛人」に引きずられがちなイメージから、みごとに脱却できている。豊川悦司の梅安も、得体の知れない怖さが漂っていてとてもいい。
また、原作の最初のエピソードであり、「必殺仕掛人」でも他の映像化でも採用されてきた「おんなごろし」がメインになっていて、梅安の生き別れた妹が、現代的な解釈によって悪女に堕ちた女というイメージを打ち破ってくれた。天海祐希の演技にも奥行きがある。江戸の日常という観点でも新鮮味があるので、これはぜひシリーズ化をしていただきたい。とりあえず二部作だけで終わってはもったいない。
時代劇映画の底力のようなものを感じられる力作。どの層が見ても自然に楽しめる作品。
本作は【池波正太郎生誕100年】を記念し、世界に時代劇を届けるべく動いている作品です。
と言っても、正直なところ、私は原作者も作品も知らない状態でした。
ただ、何か「意気込みの強さ」のようなものを感じられ、まずは連続公開の1作品目である本作を見てみました。
その結果、知らず知らずのうちに豊川悦司が扮する「仕掛人・藤枝梅安」の世界観に入り込む事ができ、時代劇の持つコンテンツの強さを実感しました。
そもそも「仕掛人・藤枝梅安」とは、「鬼平犯科帳」「剣客商売」とともに池波正太郎の時代小説3大シリーズとして認知されているそうですが、私のように疎くても全く問題ありませんでした。
本作の面白さは、主人公の役柄にもありそうです。
今に通じる「ダーク・ヒーロー」として、表と裏の顔がはっきりと分かれているのです。
腕の良い医者として人の命を救う「鍼医」という「表の顔」を持ちながら、人を殺める「仕掛人」としての「裏の顔」も持つなど登場人物には不思議な魅力があり展開から目が離せなくなっていきます。
それもあり134分が意外と短く感じられました。
日本にとどまらず世界にも通じる作品と言うのは過言ではないです。
天海祐希がとても美しい。 撮影当時56才? マジか! 美しいだけでなく演技も素晴らしかった。 天海祐希を見るだけでも価値がある。
動画配信で映画「仕掛人・藤枝梅安」を見た。
2023年製作/134分/G/日本
配給:イオンエンターテイメント
劇場公開日:2023年2月3日
豊川悦司(藤枝梅安)
片岡愛之助(彦次郎)
菅野美穂(おもん)
柳葉敏郎(羽沢の嘉兵衛)
天海祐希(おみの)
江戸の鍼医者の藤枝梅安は、
裏稼業として金で殺しを請け負う仕掛人でもあった。
梅安は蔓(仲介者)より殺しの依頼を受けると、
表稼業の道具でもある鍼を武器に、
何の痕跡もなく標的を暗殺していく。
オープニングで男(石丸謙二郎)から小判を握らされたお香(中村ゆり)
の笑顔がまずよかった。
梅安が料理屋を訪ね、
仕掛の標的であるおかみ(天海祐希)の顔を見た瞬間、
思わず息をのんだ。
誰かに似ている。
天海祐希がとても美しい。
撮影当時56才?
マジか!
美しいだけでなく演技も素晴らしかった。
天海祐希を見るだけでも価値がある。
終劇の長いクレジットの後に
2作目に続く映像があるので最後まで見た方がいい。
2作目を見るのが楽しみである。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
異端だけれど王道
まるで小説を読んでいるような
そして、絵画のような映像に見惚れる
ちょっと堅苦しいくらいに作られた背景
プロフェッショナルですね
原作未読ですが、きっとこんな雰囲気の作品なんだろうなと想像がつく
必殺シリーズは昔、観ていたけれど、キワモノっぽいドラマとちがって映画らしく落ちついた格調高く、そのうえで古臭さもないいいデキですね
時代劇を、今、ちゃんと作っておく
とくにこのような異端の内容を大手がちゃんと作っておく事は特に意義があるように思う
こういうのをインディーズには任せられないから
先日観た”アンダーニンジャ”も
忍者映画としては異端です
これをキチッと作ってハリウッドに持っていけば、忍者ブームの火付け役になったのに惜しいことをしました
って、アメリカ人の感覚はわけわからんので、今回のおバカな作品がうけるかもしれないけどね
豊川悦司の梅安は、初代の緒形拳を追うのではなく、独自の梅安を作りあげた
これが原作に近いのかもしれません
知らんけど
セリフのスピードが心地よい
”東京物語”ほどではないけどね
早口の現代人の口調では合わない
とりあえず、欧米の演技にはない感じて見ていて落ち着ける
片岡愛之助はさすが、歌舞伎役者
”はたらく細胞!!”ではひどい演技でしたが、時代劇にはハマりますね
映画の最初を飾ったのは、中村ゆり
あいかわらず綺麗でますね
美魔女です
着物姿もいいし色気もある
あっという間に引き込まれました
菅野美穂はようやく少し色気が出てきましたね
ただ、今回の愛人役は合わなかった
この役、中村ゆりがやった方が良かったんじゃないだろうか
もちろん菅野美穂はビッグネームだけど
時代劇には違和感がありました
本人もやりにくそうに見えました
殺陣が素晴らしかった
良かった。 すごく良かった。 完璧だった。 長らく思い出す事がなか...
良かった。
すごく良かった。
完璧だった。
長らく思い出す事がなかった小林桂樹が梅安を演ったドラマを改めて思い出した。
二つとも素晴らしい。
天海祐希だけがアレかなぁ、と心配だったけど杞憂だった。
スタッフ・キャスト、全員に拍手。
令和版の鬼平犯科帳より満足感を得ました
仕掛人藤枝梅安
2023年版
原作は鬼平犯科帳と同じ池波正太郎
鬼平犯科、剣客商売と並んで人気が高い
テレビドラマで名高い必殺シリーズはこの原作の翻案というのはご存知のとおり
内容はほぼ原作通りで、昭和の必殺シリーズみたいなおちゃらけや過剰な演出はなく、大変に原作の雰囲気をよく伝える徹底的に抑制の効いた本格的な時代劇に仕上がっています
令和版の鬼平犯科帳より満足感を得ました
時代劇の持続可能性を考えるならより派手派手しい必殺シリーズよりの製作方針も考えられるところでしょうが、本作はそんなものには一切目を向けず、本格中の本格を目指した作品です
時代劇の持続可能性のためにはコアな時代劇ファンをまずガッチリと掴まないとなりません
その層にそっぽをむかれては時代劇の持続可能性もへちまも有りません
本作はそれを目指して成功した作品だと思います
セット美術、VFX も良く、殺陣も大いに迫力がありました
特に天海祐希の悪女役の素晴らしさには感嘆させられました
本作を面白いと思われたなら是非とも2 もご覧下さい
というかさらにシリーズ製作をお願いしたいところです
ただ池波正太郎は映像化に当たって原作をベースにする事を条件にされてオリジナルの物語はお認めになられなかっただけに原作の少ない梅安シリーズ化はなかなか難しいところ
そこをなんとか関係者の皆様のお力と御工夫で乗り越えて頂きたいと思います
そろそろ新しい藤枝梅安を観たいです
見応えあり
何度も映像化された作品ではあると思うけど、
時代劇ファンも初めて観る人も満足出来る作品では
ないかなと思いました。
特に梅安と彦次郎の解釈は若い人の方が盛り上がりそうな
気配を感じました。
父親が観てたのをぼんやり観てたくらいなので、
梅安をそこまで知らなかったのだけど、
一番悪いのは蔓じゃないかと思ってしまった。
蔓が悪けりゃ仕掛人も悪くなってしまうシステムだなと
思いました。
トヨエツのモテる鍼師ぶりはかっこよかったし、
彦次郎の良き理解者ぶりも良かった。
天海祐希さんの過去の出来事が純粋な女の子を変えてしまった感じも素晴らしかった。
高畑淳子さんはいちいち笑ってしまった。
この作品の救いのような存在でした。
好みの問題かもしれないが菅野美穂さんだけ少し
引っかかってしまったところはある。
若い人向けにはもっと派手な暗殺シーンでも良かった気がするけど、静かにエグいことする梅安に恐怖を感じたからそれで良いのかもしれない。
どちらかというと人情物語
全編に魅力的な要素が鏤められて快感が伝わってくる秀作
TVドラマ『必殺仕掛人』等のシリーズは現在でも毎日、BS、CSで放送されている。もう数十年前のドラマなのに、これだけ放送され続けるのは、いかに優れていたかの証明だろう。
何よりあの斬新な映像美学に小生はやられた。そしてマカロニウエスタンに影響されたBGM、痛快だがドロドロしていない様式化された勧善懲悪、バリエーションに富んだ殺人方法、首の骨を折って殺す様子をレントゲン写真で見せるユーモア――それらは今見ても見飽きないのである。
さて、その元となった『梅安』シリーズの方だが、小生は小林桂樹を何作か見たくらいで、実はあまり知らない。原作も読んでいない。しかし、『仕掛人』とは異なり、江戸の街並み、梅安の人間性や食事風景、彦次郎との掛け合い等々に比重が置かれた、いかにも人間ドラマらしいドラマだと思う。
本作はその最新版『梅安』で、豊川悦司と片岡愛之助のコンビがメイン、さらに菅野美穂、天海祐希等の大物俳優が多数名を連ねている。
やはりまず映像が美しい。『仕掛人』ほど外連味に満ちているわけではないが、落ち着いた色彩と構図がいい。
次にいいのが梅安と彦次郎の食事の数々。そして彼等の友情に満ちた掛け合い。
豊川は『必死剣鳥刺し』で見た時、何だか薄汚いおじさんになったなあwという印象を受けたものだが、何度も見ているうちに所作や発声、活舌のよさに年齢なりの色気を感じるようになった。本作でもその魅力は変わらない。
最後に梅安、彦次郎の仕掛けの工作と、殺される人々との関係や、梅安に恋慕するおもんの仕草。
全編にこうした魅力的な要素が鏤められていて、見ていて話の筋とは無関係に快感が伝わってくる。
決して傑作とか名作という種類のものではなく、いつでも落ち着いて安心して楽しめるファーマットの秀作だと思う。
鶴じゃなくて蔓
じっくり味わいたい本格時代劇
《池波正太郎生誕100年企画》
「仕掛人藤枝梅安」の第一弾。
令和の時代に蘇る【本格時代劇】
浮ついたところが微塵もない職人技。
江戸時代、腕の良い鍼医者の表の顔と、
「殺し」を請け負う裏家業。
善と悪、2つの顔を持つ「藤枝梅安」を現実味たっぷり、
色気も匂い立ち、男気もある豊川悦司が演じる。
早くも当たり役・・・と言わずにいられない。
食通の池波正太郎に因んで、梅安と彦次郎の食する食事が、
素朴ながら手が混み実に旨そうだ。
同じく仕掛人の相棒・彦次郎を片岡愛之助が演じる。
歌舞伎役者の片岡愛之助はやはり時代劇にリアルさを与えている。
彦次郎の作る何気ない粥。
薬味の豪華な湯豆腐。
梅安の食べる汁や常夜鍋か?軍艦鍋か?
そして除夜に2人が食べる年越し蕎麦は柚の皮を擦って
蕎麦粉に混ぜた手打ち蕎麦。
実に旨そうだ。
梅安の仕掛け(殺しの斡旋)
静謐にして殺気を湛えた様式美と芸術的殺し。
殺された者も本望ではないか?
と思うほど一瞬の芸術。
殺されるのはほぼ悪人。
天海祐希は恍惚とした表情を見せる。
だから「仕掛人」は必要悪。
それにより救われる命がある、
そして悪を成敗する快感もある。
次作が楽しみである。
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