鬼平犯科帳 血闘のレビュー・感想・評価
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鬼平犯科帳の本当のテーマとは何でしょうか? 21世紀に持続性のある時代劇とは?
鬼平犯科帳 血闘
令和の鬼平待ってました
原作は言わずと知れた池波正太郎
文庫本は全25巻と別巻1冊、全部で135話あります
1967年から1989年の22年間、「オール讀物」誌に断続的に掲載されました
鬼平ファンには釈迦に説法ですね
映像化は何度もあり、テレビドラマ、映画、舞台、漫画、アニメまであります
果ては江戸の古地図に現在の地図と鬼平の各話のエピソードに登場する地名を重ね合わせて解説する本まで出版されるほど
自分もそれを見てよく散歩したものです
熱烈なファンが多いです
高齢男性キラーのコンテンツですが、近頃はなにやら若い女性ファンもチラホラいるみたいです
本所深川、目黒不動さまなどを散歩していると着物姿の鬼平ファンと思しき女性を見かけることがあります
つまりゴジラに匹敵するキラーコンテンツというわけです
日本の映像コンテンツの宝なのです
テレビドラマ化は令和の配信シリーズを入れると6度目です
八代目松本幸四郎版、丹波哲郎版、萬屋錦之介版、二代目中村吉右衛門版、そして今回の十代目 松本幸四郎版というわけです
今回の配信シリーズの第2話を劇場版として公開されたものが本作という訳です
劇場映画では今回が2度目になります
前回は1995年の中村吉右衛門版の「鬼平犯科帳 劇場版」でした
なのでスクリーンに鬼平が戻って来るのは29年ぶりです
テレビドラマなら平成の中村吉右衛門版が第9シリーズ全138話で終了したのが2001年でしたから、そこから23年も経ちました
その後テレビスペシャルが13編放送されましたが、それも2016年で終了しました
時代劇専門チャネルでの鬼平外伝は5編あります
それも一番最後の「鬼平外伝 最終章 四度目の女房」が2016年でした
そこから8年
長かった、みんな首を長くして待っていました
満を持してのリブートです
2001年に中村吉右衛門の平成テレビドラマシリーズが終了したとき、十代目松本幸四郎はまだ28歳だったのです
その彼も2024年の今年51歳
彼が50歳を越えて、鬼平役に相応しい年格好と風格になるのを本人も周囲も待っていたのだと思います
さて本作
結論からいうと大満足です
でもどうしても大成功した平成の鬼平犯科帳と比較してしまいます
観客はもちろん、主役はもちろん役者達、監督はじめ製作陣までも同様だったと思います
どこまでも平成と同じものを求めてモノマネ作品に止まっていてはつまらない
令和にリメイクするからには何かしら新味が無ければ意味があるといえるのか
そのプレッシャーは恐ろしく大きなものだったと思います
時代劇を21世紀にこれからもずっと作くっていけること
そのためには当然、時代劇を撮る技術の伝承が無ければなりません
でもそれは単に時代劇のセットや衣装、カツラ、小道具、所作、言葉遣い、殺陣
、時代考証などの約束ごとの継承だけで済むことなのでしょうか?
それだけではないと思います
時代劇がこれからも観客に支持され続けるものがなければそれは達成出来ないのです
今風に言えば、持続性のあるコンテンツであるかどうかです
そもそも池波正太郎が江戸時代のノワールを小説にしたのは、同じ事を昭和の現代でそれを目指したのだと思うのです
1967年の一番最初の白黒のテレビドラマでも既に音楽には現代的なギターが付けられていました
それが平成版ではあのジプシー・キングスの「インスピレーション」に発展していったのです
ではどこに令和版の発展の余地があるでしょうか?
鬼平犯科帳の本当のテーマとは何でしょう?
その核心をはずさなければ令和の時代性に合わせた発展の余地が必ず見つかるはずだと思います
江戸時代の犯罪捜査物
そんな表層的なものではこれほど息の長いコンテンツにはなりえません
もっと深いもののはずです
日本人の心の奥深くに響くものです
それは日本人の心です
心の機微、真心です
殺伐さをますばかりの世界
その中で世界の人々が求めるものは悪を憎むと同時に寛容の心を忘れないこと
日本人の心、鬼平の物語はそれを表現しているのです
そしてその日本人の心をつくる日本の風土です
季節の織りなす光景、山川木々花風雨雪
それこそが鬼平犯科帳の真のテーマなのだと思います
料理が取り上げられるのも同様です
料理は平和を象徴しているのだと思います
平成版はその核心を見事に射抜いていたからこそあれほどの成功をみたのだと思うのです
あの平成版のエンディングの春夏秋冬の映像と音楽こそが純度の高い結晶だったと思います
だから古びないし、何度みても見飽きないし感動するのです
今、日本に世界中からインバウンド観光客が押し寄せています
そして彼ら彼女達は何を求めているかというと、その日本の美しい風土、それが育んだ日本人の心、そして土地と気候が産み出した山の幸海の幸、さらに手間暇を惜しまず手をかけた日本の料理なのてす
それはこの鬼平犯科帳のテーマそのものではないでしょうか?
つまり鬼平犯科帳こそは、世界に通じる普遍性と世界中の人たちが求める日本の姿が濃密にあるコンテンツなのです
世界で大ヒットした「SHOGUN 将軍」に
も肩を並べるコンテンツに成長するポテンシャルをもっているはずと思います
令和版は時代劇の技術の継承は大成功を納めていると思います
明るく美しい鮮明な画面の中に本格の時代劇が再現されたと断言できます
日本の風土の美しさ、その風土が産みだす料理の美味しさ
それも忘れずに取り上げられています
ストーリーは原作があり自由はききません
しかし江戸時代も21世紀も変わらない日本人の心を描くのだから、あたら変な改変は不要です
真っ当でよく整理された脚本でした
では完璧かというと、欲をいえばのレベルですが気になる点はあります
言いたいことが色々あります
ここがこう
あの役のあの人はどうと
しかし平成版と同じことを追い求めてはいけないのです
違和感があってもそれも慣れの問題なのかもしれません
私達観客も、製作陣もともに成長して21世紀に持続性のある時代劇を確立させていかなければならないのです
世界展開して成功を収める
それが時代劇が21世紀でも持続していくために求められることだと思います
そのためには令和版にはなにが必要か
まだ不足している要素は何か
そこをさらに追求すれば平成版を追い越す成功も決して夢ではないと思います
海外の人がみたい日本の美しい風土、寺社仏閣は今はVFXでいくらでも実現できるはずです
なにもロケだけに頼ることもないと思います
大昔の監督みたいにあの電柱が邪魔だからどかせろなんて時代ではありません
有名観光地を封鎖して撮影する必要もありません
平成版以上に自由度は遥かに上がっていると思います
その映像に日本人の優しい真心を据えて丁寧に心の動き表現できさえすれば良いはずです
本作はかなり近いところにまで迫っていると思います
ただエンディングが真っ黒のスタッフロールの愛想のなさだけは残念でした
年末にまた鬼平犯科帳の次の劇場版を公開して欲しいものです
年の暮れ、正月こそ本格の時代劇をみたいじゃないですか
それが日本人を形づくることでもあると思います
時代劇に持続性を持たせるためには絶対に必要なことだと思います
待っています
「正月四日の客」みたいに
蛇足
池波正太郎は1923年1月25日生まれ
それで本作の最初に池波正太郎生誕100年企画とロゴマークがでます
十代目松本幸四郎も2023年が50歳
コロナ禍の中で苦労して準備がすすめられたのだと思います
池波正太郎生誕地碑は浅草の大川べりの待乳山聖天さまの石段の脇にあります
また合羽橋の台東区生涯学習センターの1階の図書館の一画に小さいながら池波正太郎記念文庫があります
ファンの方ならとっくにご存知というか訪問済みですね
悪を知って外道を憎むby長谷川平蔵
私にとって鬼平といえば、中村吉右衛門さんだったので、
松本幸四郎さんがどのような鬼平なのか、興味があって鑑賞しました。
幸四郎さん、若く見えますが50代前半ですから、鬼平の役にもマッチする年齢だと思いますが
吉右衛門さんレベルの凄みに達するまでは、もう一歩的な印象を受けました。
それでも、幸四郎さんならではの迫力と粋なセリフ回しも好感が持てますし、
今後、役とともに馴染んでいくのだろうなと思いました。
さて、本作ですが、女性俳優陣が素晴らしいです。
おまさ役の中村ゆりさん、凛とした佇まいとセリフが実にカッコいい!せつないキャラではありますが、応援したくなります。
奥様役の仙道敦子さん、久しぶりに拝見しましたが、味のある演技で存在感がありました。
おりん役の志田未来さん、おろく役の松本穂香さん、難しい役どころだったと思いますが、見事に演じ切っていました。
男性陣も負けておらず、
鬼平の側近 佐嶋役の本宮泰風さん、落ち着いた佇まいと鑑賞客も安心するような絶対的な信頼感があり、頼もしいなと思いました。
九平役の柄本明さんもさすがの存在感。重要な役どころでさすがだと思える演技。素晴らしいですね。
北村有起哉さんの悪役っぷりも堂に入っていて素晴らしかったです。
アクションシーン(殺陣)も時代劇ならではですが、刀と刀⚔️がぶつかったときに生じる光や血飛沫、
鬼平のキビキビした動きで絶体絶命にも関わらず乗り切ってしまうところなど、
見どころ満載で面白かったす。
ストーリーは、若い頃の鬼平にスポットを当てつつ、現在と行き来する見せ方は、良かったと思いますし、
鬼平への感情移入がより深くできるように感じました。
続編あるよ、的な終わり方は、ちょっとなぁ〜。私は好みではありません。スッキリ終わって欲しかったです。
鑑賞客は、さすがに私の年代(50代前半)よりも上の先輩方が多数を占めていました。
多数といえど、おそらく20名ほどの入場数だったと思います。
今後も幸四郎さんの鬼平に期待しております。
時代劇万歳。
悪だったからこそ
池波正太郎生誕100周年を記念し、キャストを一新して制作された豊川悦司の「仕掛人・藤枝梅安」に引き続き、これまた大ベストセラー「鬼平犯科帳」を松本幸四郎主演で再映像化。テレビスペシャル→映画→連続ドラマと、今回もかなり気合いが入っているだけど、ドラマは時代劇チャンネルの独占放送(地上波で放送するけど福岡では見れない??)とのことで、一先ず映画を鑑賞。
それで私、決めました。時代劇チャンネルに入会します。そこそこ時代劇は見てきたけど、中でも池波正太郎の作品は並外れて面白い。今回も、豪華なキャストに見事な完成度だったため、追いかけない方が損。だって、さっき見たってのにまた見たくて仕方ないもの!
時代劇って何がいいかというと...と話し始めると長くなるから手短に。時代劇は日本にしか作れないジャンルということもあって、役者の良さがグッと引き出されるし、日本人の血からなのか、他では味わえないワクワクから感情が大きく動かされてしまう。
今回も梅安先生ことトヨエツ同様に、鬼の平蔵・松本幸四郎の滲み出る優しさ、そして勇ましさに心奪われっぱなしだった。代々平蔵を演じているの、超エモいよね。中村ゆりと柄本明も、賞を贈りたいくらい名演。役者の魂の演技が見れるのが、時代劇最大の魅力なのです!
想像以上の骨太ストーリーにかなり食らい、予告でも流れる名ゼリフ「悪を知って外道に堕ちるか、悪を知って外道を憎むか」が追い討ちをかけるかのように刺さってしまった。過去回想の多さは若干くどかったけど、一振が重い、無駄のないアクションはすごく良かったし、最後まで抜かりなく詰めてくれるのも飽きが来なくて面白すぎた。これを機に、池波正太郎の原作小説も読まないとな。この人はキャラ作りが上手すぎる!!!でも、パンフレット高すぎる!!!もうちょい買うの迷わせてくれ...笑 長谷川平蔵、6月もよろしく!
北村有起哉の悪っぷり
火付盗賊改方の長谷川平蔵のもとに、若い頃に世話になった居酒屋の娘・おまさが現れ、密偵になりたいと申し出たが、平蔵は断わった。しかし、おまさは、平蔵が参考人として芋酒屋主人の鷺原の九平を探していることを知り、独断で調査に乗り出し・・・黒幕は誰、という話。
名前は聞いたこと有ったが、初めて観た鬼平犯科帳。時代劇を大きなスクリーンで観るのは良い。
大岡越前や暴れん坊将軍に似た感覚で、悪をやっつけるのはスッキリする。
平蔵役の松本幸四郎だが、さすが歌舞伎役者で、セリフ、仕草、殺陣まで安心して観れる。良かった。
志田未来も小さい時から観てるが、色っぽい悪女が似合ってきた。
北村有起哉と柄本明はさすが。特に北村有起哉の悪っぷりが素晴らしい。
おまさ役の中村ゆりは美しかった。若い時のおまさ役の中島瑠菜は可愛かった。
このシリーズ、続きがありそうで楽しみ。
スクリーンで観て正解!
中村吉右衛門の鬼平犯科帳が大好きで、あの世界観がどうなるかしら…と思っていましたが。
この映画もいい!
松本幸四郎のちょっとした表情や口調が吉右衛門さんのようにみえたりして、これから長く鬼平を続けていったら、もっと色香のある鬼平になりそう。
息子の市川染五郎も華奢な体型はともかく、若さがあって平蔵の基礎というかそこをみせてくれたように思います。
おまさを演じた、中村ゆりもいい。ほどよい色気があって、鬼平に恋する気持ちもキュンとなる幹事も。
テレビシリーズの彦十の三代目江戸家猫八が亡くなった時に、個人的に火野正平がぴったりな役と勝手に思っていて、今回実現して良かった。もっと活躍して欲しい。
忠吾役の浅利陽介、九平の柄本明もぴったり。北村有起哉と矢柴俊博といったバイプレーヤーが悪を演じているのも見ごたえあり。
大勢での殺陣シーンも迫力あって、これはスクリーンて観て正解でした。
音楽は悪くなかったけれど、ジプシー・キングスが良かったな。
因縁とか、人情とか、忘れていた感情を思い出した
「悪を知る」意味が、今一つ伝わってこない
極悪非道な強盗団と鬼平との戦いに、強盗団に潜入した密偵の活躍や、強盗団の首領と鬼平の過去の因縁などが絡んでくる展開は面白く、引き込まれる。
数多くの登場人物の中でも、女性陣のキャラクターが、皆、魅力的で、特に、鬼平に思いを寄せるおまさの自己犠牲的な行動には、思わず胸が熱くなった。
芋酒屋の主人に対する人情味に溢れた裁定も鬼平ならではで、思わずホロリとさせられる。
その一方で、敵である甚五郎の人物造形については、今一つ物足りなさが残った。
彼が、鬼平に個人的な恨みを抱いているのは理解できるし、相当な頭脳犯であることも分かるのだが、だったら、もっと、鬼平の名誉を毀損したり、信用を失墜させるような策略を仕掛けてもよさそうなものなのに、ただ命を付け狙うだけでは、あまりにも芸がないように思えてしまう。
火付盗賊改に取り囲まれても、ろくに戦いもせず逃げ回るばかりで、しかも、何度も上手く逃げおおせるところには、フラストレーションがたまってしまった。
ラストの対決にしても、一騎討ちの醍醐味を堪能する間もなく、鬼平に一太刀で斬られてしまうという呆気なさで、もう少し剣の腕の立つ「強敵」にできなかったものかと、残念に思えてならなかった。
若い時に悪さをしていた平蔵が、なせ町奉行になったのかという、作品のテーマにも繋がる問いについても、平蔵が言うように「悪を知ったからだ」というよりも、単純に「父親が町奉行だったから」だと思えてしまうのは、残念としか言いようがない。
劇中では、他にも、やくざの元締めの息子は強盗団の首領になり、盗っ人の娘は盗賊の「引き込み女」になっており、結局、生まれた環境で人生が決まってしまっているのである。
鬼平の場合、現代であれば、不良少年が更生して警察官になるようなものなのだろうが、そこのところの経緯は、もっとしっかりと描いて欲しかったと思う。
ところで、鬼平を演じた松本幸四郎や市川染五郎だけでなく、脇を固める中村ゆりや柄本明らも好演していると思うのだが、柄本時生はどうして出演していたのだろうか?
単に親子共演をさせたかったからなのか、あるいは今後のシリーズで重要な役割を演じるからなのだろうか?
いずれにしても、彼だったら、何かやらかすに違いないという期待は空振りに終わり、そこのところも残念だった。
鬼平のサイドストーリーだね。
昔のドラマ大好きだったので、ストーリーを想像しながら着席。
あれ?何だか鬼平っぽくないぞ。
自分が想像してたストーリーは、大物の盗賊団が江戸にやってきて、犯罪を犯そうとするのを仲間と力を合わせて阻止するサスペンス。
ところが、出てくる奴ら、全然大物ぽくなかった。だって、鬼平の若い頃と繋がりがあるんだもん。それに鬼平自体の行動も、あまり知的じゃ無くて、本業とは違う事件にしか感じられなかった。特に違和感があったのは、おまさ。泥棒の娘として仕事を受け継いでいるのに、鬼平の味方として犬になる?ずっと本心が分からなくてモヤモヤしちゃった。
自分の想像と違いすぎた為、イマイチ感強かったけど、面白いか面白くないかといえば、結構面白い時代劇。チャンバラが暴れん坊将軍みたいだった。スペシャルドラマとしてテレビで観たらもっと楽しめたかな。
藤枝梅安パート3でよかったんじゃないの
型
悪を知って外道に落ちるか、悪を知って外道を憎むか!
劇中のこの台詞に尽きる物語でした。
割と時代劇好きなのですが初の鬼平犯科帳。
先入観ないので楽しめました。
因果応報、互いに怨みの連鎖を
繰り返す物語。
網切りの甚五郎の外道っぷり。
ゆきやさん素敵です。
でも甚五郎どれだけ大盗賊団なの?
踏み込まれる度に拡大されて行くのが不思議で仕方ない。
まぁ突っ込んだらおしまいですが(;´д`)
若い頃の本所の鉄
が惚れ惚れする男っぷりです。
染五郎良いですね。
火野正平との絡みも良いですね
後、基本的にキャストに文句は無いのですが、浅井陽介が、相棒の青木にしか見えない(笑)
おまさは色っぽいですが、
おりんとおろくがおいちゃんには、見分けが着かない(゜∀。)
時代劇と侮るなかれ
ベストオブ網切甚五郎
新しい門出の気がする
鬼平再び
池波正太郎の原作はもちろん、吉右衛門のドラマシリーズのファンとして、楽しみにして観に行った。
鉄三郎と名乗っていた若き日の平蔵や、おまさが密偵に取り立てられる経緯など主要人物の人となりを説明するようなストーリーに仕上がっていた。
実力充分な志田未来や松本穂香は若手ながらもしっかりと存在感を示していたし、梶芽衣子以外には到底あの役をできまいと思っていたおまさを中村ゆりが好演した。
テレビシリーズでも描かれていた平蔵が単身でおまさを助けに行くエピソードは切なかった。
またしても柄本明の怪演ぶりは群を抜いていたし、同心たちのキャスティングも納得。
しかも、ラストで第二弾もあることを示唆。
幸四郎に吉右衛門の面影を見て、テレビシリーズを懐かしめたので、おまけで星4つ。
日本の方もちろん、外国人の方にもおすすめ
今年180本目(合計1,272本目/今月(2024年5月度)14本目)。
(前の作品 「不死身ラヴァーズ」→この作品「鬼平犯科帳」→次の作品「恋するプリテンダー」)
映画の過去作(いくつかある)やテレビシリーズほかは、netflixなどでみたくらいです。
さすがに「時代劇専門チャンネル」による作りとのこと、とても納得ですね。普通であれば程度の差はあっても怪しいところにいってチャンバラ~みたいなストーリーなのですが、この映画はそうしたところはあるものの、人情等がうまく描かれていて、また当時の日本の文化(なお調べたら正しいも模様)等、結構色々と出てくるし、その「正しさ」についてはやはりかなりの「こだわり」もあると思います。
個人的に見た場合、ある場所が違うなら次はそこ、そうでもないなら、あの人を疑って…と考えると話が進むタイプのお話ですが、視聴者の大半がなぜか高齢者の方ばかりで、根強いファン向けと思われるシーンも多いです。変な方向に行くようなこともなくおすすめといったところです。
なお、ごくごく初歩の古典文法や古典知識もこの映画にでてきますので(「ゆめゆめ」は「絶対に~してはいけない」の意味)日本に合法に在住されている外国人の方の「古典入門」といった位置でもおすすめです。
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