「好きという感情の底流に流れるもの」ひらいて 菜野 灯さんの映画レビュー(感想・評価)
好きという感情の底流に流れるもの
原作未読。わりと勝気な女子高生・愛が、大人しい、自分の殻に閉じこもっていそうな男子高生・たとえを好きになる。ってこの設定自体が、あり得るのかな。あんな勝気な感じの愛は明るそうな感じの男子高生と仲良くやりそうな気もするが。
いや、愛は、たとえがこれまた大人しい感じの清楚系の美雪が好きなことを知って、奪い取ることにサディスティックな欲望を感じたのか。それで、美雪に近づき、美雪とレズのようなフリをしてまで、美雪に入り込もうとする。
だとしたら、愛は相当にメンヘラな女子高生ということになる。愛がたとえを好きという感情も、底流には、美雪に勝ちたいという気持ちがあるようにも見受けられる。好きという感情がなんだか嫉妬、サディズムといった感情が入り交ざって出来上がる場合もあるんだなという感慨にふけることになった映画だった。
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