「愛を愛さずにはいられなかった。」ひらいて 愛さんの映画レビュー(感想・評価)
愛を愛さずにはいられなかった。
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この映画ほどラストに衝撃を受け、終わった途端放心状態になったのは初めてだ。
一度初見で映画を鑑賞し、原作を読み、もう一度映画を鑑賞するという方法を私は力強くオススメしたい。
私が好きなシーンは、愛がたとえの父親に向かって「こっち向け!」と怒鳴り頬を殴るシーンだ。愛がわがままかつ、気の強い女の子で、衝動的な部分があることがハッキリとわかるシーンだと思う。その後に美雪と手を繋いで走るシーンも、(原作とは異なるが)好きな人を傷付けていたという人物を殴ったことに対する快感や興奮で逃げる気力が湧かず、美雪の勢いにつられて飛び出てきたことが分かる。
また、最後に卒業式の説明を受けているときに走り出し、美雪に近付いて「また一緒に寝ようね」、と呟くラストは映画を鑑賞しているみんなの心をグッと掴み、「え?」と声を漏らすであろう。エンドロールが流れた途端、その言葉の意味を考え出し、余韻に浸りながらも放心へと導かれる。
ちなみにこのシーン、原作だと「美雪、貴方を愛してる。また一緒に寝ようね」と完全に愛が美雪に心を「ひらいて」いることがわかる。しかし映画は原作と違い、たとえは最後まで愛に心を開かなかった。原作は卒業式の説明をしているところでもたとえが愛に心を開いているとわかるシーンがあり、三人が完全に心を開きあっていることがわかる。私はどちらも違う良さがあり、何度でも繰り返し読み、見たいくらいこの作品達が大好きだ。私は愛のような女の子になりたい。わがままで何でも思い通りにしてしまう。暴力的で、不器用だ。
しかし、私は愛を愛さずにはいられなかった。それは仕方のないことなのである。
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