「さて、この女の正体は?」CUBE 一度入ったら、最後 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
さて、この女の正体は?
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なんで邦画バージョンを作るのかと、もはや公開前から低評価だったのですが、観てみれば中々どうして、謎解きと人間ドラマを踏まえた佳作だと思います。単なる吹き替えでは満足できないので、日本でも判りやすい社会のモヤモヤした物事を踏まえた心理をも吹き替えようとしたと思えば納得です。
なんだか原作よりもむしろ「人狼ゲーム」って感じですね。ほとんど身一つで迷宮に投げ込まれ、自分の正しさを示すのは自分の行動と発言のみ。そして、日本版の「狼」は誰なのか。
途中からチラホラと見せ始めていた杏さん演ずる「甲斐さん」という女の人のガイドっぷりが判りやすく、判りやすいからこそ楽しみやすかったけど、自分ならもうちょっとボカしたかな、と思いました。「次のゲームプレイヤー達」を向かえるシーンは要らなかったかな。最後に少年を見送る所で終わっても良かった。出て行こうとしない甲斐さんを疑問に思わず、「あなたのことは判ってましたよ、始めから」みたいな顔で笑顔で、甲斐さんの元から去って行く少年の顔、あれこそこの映画を駄作にしない、良い演出だったなと思いました。
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