「本当に怖いのは人間の狂気」CUBE 一度入ったら、最後 しゅなさんの映画レビュー(感想・評価)
本当に怖いのは人間の狂気
当初知らされていなかったキャストがいきなり登場して
観客にこれから始まる物語への覚悟を植え付けて去っていく。
そして、主人公が目覚めると…
物語の殆どが立方体の内部で繰り広げられるので
ちょっと飽きてしまいそうになる中盤辺りから
人間の心の内側に迫る展開になるので
どんどん引き込まれました。
人間は同じ空間で恐怖体験を共有すると
協力しあって同じ方向へ向かおうとするのだなー。
オリジナルは何の脈絡もなく、ただただ恐怖に陥れられて怖かったけど、本作は本当に怖いのは人間の狂気だと思わせる。
岡田将生さんのキャラクターが、美しい横顔に浮かべる不気味な笑顔が怖かったー。
ぶっきらぼうで無口だけれど心底優しい斎藤工さんが潔くてよかったー。
主人公の青年が秘めている深い心の傷や後悔に思わず涙した。
出来れば一人一人が抱えるものについてもう少し描いて欲しかった。
そう、柄本時生さんのも。
紅一点の杏さんの登場シーン。
「ところで、あなたたち、ナニモノ?」
は、「何者だったの?」なんだよね。
謎解きやスリルもありで、私には涙もありました。
MANRIKIの清水監督、これからも期待したいです。
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