「一度(映画館)入ったら、最後(がっかり)」CUBE 一度入ったら、最後 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
一度(映画館)入ったら、最後(がっかり)
CUBEシリーズ
元は1997年公開のヴィンチェンゾ・ナタリ監督作品
立方体のセットと7人の役者だけで作られ
ながら割り切った世界観と登場人物のキャラクターに
焦点を当てつつ徐々に明かされる規則性や
突然やってくる危機のスリルから超低予算ながら
カルト的人気を誇った
同じような設定や監督が違う続編など一時的に
ブーム化したが粗造氾濫によって人々の記憶
からすぐ消えていった
今作はそのほぼ25年ぶりのリメイクで
ナタリ監督が製作に関わっており名前だけの続編とは
違う造りになるはずだったがコロナの影響で
来日できないなど色々なトラブルがあったという
でどうだったかというと…
雰囲気は確かにいいんですが
お話部分が相当ガッカリ
冒頭上下左右が扉で繋がる謎の立方体空間に
迷い込んだ男が彷徨ううちにトラップで
どてっ腹に穴をあけられて絶命する
衝撃的なOP
その後その中で眠りから目覚めたのは
・エンジニアの後藤裕一(菅田将暉)
ほかその空間には
・団体職員だと言う甲斐麻子(杏)
・フリーターの越智真司(岡田将生)
・中学生の宇野千陽(田代輝)
・整備士の井出寛(斎藤工)
・会社役員の安東和正(吉田鋼太郎)
の6人でそれぞれ空間に入り込んだ理由や
いきさつは明かされませんが脱出を試みます
結論から言うと
これらの設定がほとんど機能しないので
どこに焦点があるのかよくわからない
映画になっています
こうした映画はこれらの人々が
どうしてここへ来たのか?黒幕は何が目的なのか?
と言った部分はひとまず重要でなく謎解きを中心に
・どんな規則性があるのか?
・何をすると危険なのか?
・(この空間で)一番経験のあるのは誰か?
・(脱出の為に)職業柄能力を生かせるか?
・人物間の個人的な関係性はあるか?
と言った部分を描写しながらストーリーを
先に進めていくことで謎解きに興味を持った
客が見に来るものと思います
しかしこの映画はそこを放り投げて
人物同士が中身のある会話をまるでしないし
肝心なことを黙ったまんまだったりするくせに
すぐ絶叫するいつものダメ邦画パターン
虐待を受けてきた弟を救えなかった後藤のトラウマや
フリーターをコケにする会社役員といった
別にこの空間と関係ない話ばかり出てきて
弟と似た境遇っぽい千陽を後藤が救うといった
はい泣いて~~~展開になっていきます
客はそんなものを見に来たのではないと思います
まぶっちゃけこの空間の仕掛け部分はそう大した
もんじゃないしわかったところですぐ解決できる
わけではないなど元ネタからすでに限界なとこ
ありますがそれにしても邦画ちっくに
判で押したような家族愛押し付け
舞台演技絶叫ものに変えすぎで
なんのために25年ぶりに引っ張り出したのか
と思ってしまいます(低予算だからか?)
典型的な予告までが一番面白いやつです