「絶対に逃したくない奇跡の時間」明日への地図を探して よしさんの映画レビュー(感想・評価)
絶対に逃したくない奇跡の時間
《鍵》絶対に逃したくない奇跡の時間 --- 毎秒が奇跡、奇跡が積み重なって人生になる。そして失う。けど、それだけの価値がある。タイムループものに風穴を開ける、フレッシュな新風を呼び起こす、爽やか度120%の良作ティーンドラマ。最高とあざといの間の原題から期待した通りの、とびっきりの魔法にかかってしまう。実はみんな同じ日を何度も繰り返してる。ビル・マーレイのあの映画みたいに…『恋はデジャ・ブ』(←『ハッピー・デス・デイ』然りちゃんとこのジャンルを代表する傑作への言及・リスペクト好感)!
《4次元》好感の持てるキャスト。作品を包む、形づくる空気感がいい。小粋な編集やカメラワーク同様流れるようにスムーズな語り口、オシャレなだけじゃない。良作インディー映画ドラマを彷彿とさせるようなサントラでもポイントを稼いでいる、これはズルい。『バンデットQ』が大好きな主人公。子供みたいに何度も見る。君の世界で《時空の亀裂》が起きてない?同じ日を繰り返す2人、それは偶然が重なる奇跡の瞬間。一緒に取り残された"今日"の奇跡を歩いて集める。円周率みたいに無限に続くのか。好意を持つけど、この特異なシチュエーションの中で唯一の同じ立場に置かれた理解者と気まずくなりたくない。空にかかった大きな「?」クエスチョンの文字。
もしも映画みたいなことが自分にも降り掛かったら?問題山積みの世の中で、今の若い世代はどんな時代の名作にもフラットに接することができるから、そんなことになった自分が主人公のつもりでいても実は違うかも。犬という迷子の象徴、語弊を恐れずに言えば小物使いも良かった。特異点にハマってるなら遠くに行けばいい?じゃあテスラを買え。16時間以上かかることは何もできない、どうせ消えるから。これで生きてるって本当に言える?その時が来てほしくなくて願ってしまった、時間を止めてほしかった。明日を迎えるときに一緒にいたい、つらくても。前に進む勇気、別れを告げる決意、その先にきっと明日があって、僕たちはまだ奇跡を起こせる。目撃できる。
DID WE MISS
SOMETHING?
父さんはいつまでも本を書き終わらない、妹はサッカーの試合で負ける「手始めに地球を丸ごと救う」ごめんね、さよなら「こうなる前から世の中変だと思ってた」この通りあなたを救いに「わけが分からなかったけど謎が解けたよ」チューバッカを頼むね「眠ってたのは私たちよ、みんなは起きてる」