「アオラレたのか」アオラレ Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
アオラレたのか
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頭のタガの外れた男の煽り運転の恐怖を堪能するのかと思った。ところが、実は社会に追い詰められた男が引き起こす殺人劇。
お母さんの「人も車も多すぎる」と言う呟きが迫真。そんなお母さんも充分に可愛そうだけれど、犯人も可愛いそうだとは思う。かつ程度は天地だが、両方とも悪い。
ナイフを握った男に恋人を押し付けて殺す残忍さや、運転席の下にタブレットを貼り付けてターゲットを逃がさない頭の冴えなど、ラッセル・クロウならではの、シリアスな狂人の恐怖を充分に味わえた。
ただやや残念ながら、シネマとしての大迫力には欠けてしまったと思う。
何故か?
ラッセル・クロウが巨体を揺すって煽るカーレースシーンがほぼない! 車線は勢いよくはみ出すわ、ダンプに車体をこすられるわ、一般道やハイウェイを抜けてハラハラ、ジリジリと主人公を追い詰めてくれていない。ストーリーが半分もいかないうちに、主人公が正体を現してしまった。
並の狂気を披露した後に、あー、遂に人まで殺してしまったよと言う、ぶっ飛び感を味わいたかったです。
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