「色んな「気付き」のある映画です」僕が君の耳になる KNTさんの映画レビュー(感想・評価)
色んな「気付き」のある映画です
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主人公のひとり、ろう者の美咲はもうひとりの主人公純平に「(健常者である)純平とは生きる世界が違う」と言う。
自分はそんなことはないと思ったし、純平も同じように反論していたが、美咲は「そう思うのはあなたの耳が聞こえるからだ」と返す。
何の考えなしに思っていることでも、立場を変えれば傲慢だと思われてしまうこともあると気付かされたシーンだった。
でもこの別れのシーンがあったからこそ、最後の「僕が君の耳になる」を手話をしながら歌う純平の歌声も優しく聴こえた気がした。
「僕が君の耳になる」ももちろん気に入っているが、全編を通して聴き心地の良い音楽で溢れていると思いスタッフ欄を見たところ、私が好きな楽曲を数多く手がけている山崎燿氏がこの映画の音楽を担当しているらしい。
そんなところもこの映画の「優しさ」の一助になっているのだと思う。
個人的には美咲の母親の「傷ついてもいいと思ってる」という娘の何もかもも受け入れる優しさに溢れるシーンが一番好きだった。
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