「ヤンキーをも改心させる神の力」マイ・ダディ 川柳児さんの映画レビュー(感想・評価)
ヤンキーをも改心させる神の力
なんか、いきなり涙が出るシーンが早い段階であって、びっくりした。
もちろん、ムロツヨシが主演なので笑えるシーンが多いのはもちろんだが、
ところどころに涙腺を刺激するシーンがあって、泣くのか笑うのか、その変化についていくのが大変(笑)。
他のレビューにもある通り、牧師という職業がこの映画では重要。
牧師として神に身をささげる立場上、本当に敵を愛さないといけないのか?
いや単なる、家族だけを愛する普通の人間であってもいいのではないか?
そんな逡巡の中で、ムロツヨシが泣き笑いする。
また、昨今自分の子供を虐待したり、死なせてしまうという事件が後を絶たない。
実の子供さえも殺してしまう親。
一方で、この映画のように、血がつながっていなくても強い絆で結ばれる関係もある。
一体、人間とは、そして親子とは何なのだろう?笑いの中にも、そういう素朴な疑問をこの映画は投げかけてくる。
もちろん、「人間とは完全な存在ではない」ゆえに(笑)、この映画にもツッコミどころもたくさんある。
まず、最初の時間軸が紛らわしい。救急車の音まで使って騙すなよ!笑
説明とかもないし。あれは自然に理解するしかないのか。
そして失恋がきっかけで知り合ったとはいえ、結婚するまでの期間が短すぎる、そして、誰もが思ったであろう、子供が出来るタイミングがおかしい。
また、クライマックスでの親子二人の会話が、この映画のキモではある。
しかし病院の廊下で誰も通らず、二人きりで延々と話を続けるなんてのはリアルさに欠ける。
ま、でもそこいらへんは、やっぱ映画と割り切るしかないね。(別に責めてはないよ笑)
他のレビューで知ったが、この映画は大手が制作した作品ではないのね。
だから、あんまり番宣もされてないし、上映期間も短く、上映館も限られている。
(チョイ役とは言え、小栗旬が出てるのに!)
久々に他人に勧めたい、沢山の人に観てほしいと思えた映画やのに、残念。
今回の鑑賞は都合が合わず、諦めようかとも一瞬思ったが、無理して観に行ってよかった。
テレビで放送されるかどうかわからんけど、放送されたら、絶対観る。