「思ってたのと違ったなあ…」DC がんばれ!スーパーペット alalaさんの映画レビュー(感想・評価)
思ってたのと違ったなあ…
もっと小さい子供向けの、というか小さい子がいる家族でも皆で楽しめるやつを期待して借りてきたんですが、何かちょっと…シビア~。
絵面は子供受けしそうな可愛いキャラクターだけど、小学校上がるか上がらないかくらいの小さい子や妹弟がいない子にはあまり理解できない気がするし、シェルターの動物の話や実験動物、飼い主に自分より大事な人ができたペットの気持ちや裏切り等々、意外とシリアスな内容。
コメディではあるんだけど、思ってたより「面白い」って感じではなかったです。途中からやや流し見な感じになってました。
ヒーロー(人間)達が敵に捕まってしまい、スーパーマンのペットの犬が飼い主を助けるためにスーパーパワーを手にした動物達と手を組んで…って話なんだけど、メインは思い上がってる犬が成長していく物語。
「特別な力があるから凄い、無いから人として価値がない」ってことではないんだよ、ってことを言いたいんだろうから、中高生くらいの子には良いかもしれないけど、正直レビューで何度か書いてる通り、こういう話は日本のお家芸だからもう見慣れてるんだよなあ。
ワンダーウーマンが敵に捕まった時のコメントで「イケメンはどこ?」みたいなこと書いてあって、またそういうやつか…とゲンナリしたけど、それ以外はかなり既視感があり、良く言えば安心感のある、悪く言えばありがちすぎるストーリー。
ちょいちょい軽いジョークは入ってるからクソつまんねえというほどでもないんですが、でも何もかもが「ありがち」すぎて、あーハイハイという空気になると思います。
子供が多いご家庭なら、見て損したってほどではないだろうけど、カップルとか大人だけで、「たまには見て癒される、何も考えずに見られる映画が良いな…よし、これアニメだしコメディっぽいしヒーローものっぽいし、これにしよう!」みたいな流れだったらオススメしません。別に癒されないし。
まあ、犬飼ってる人だったら可愛い!となるシーンもあると思うんですが、正直それより「自分もペットに悲しい思いをさせてるんじゃ…」「うちのペットもこんな風に思ってるかも…」と不安になる人もいそう。
飼い主は自分の意思でどんどん交友関係広げられるけど、ペットは飼い主に命を握られてるし、ペットには基本的に飼い主しかいない。
飼い主はペットを「相棒」とか「友人」とか好きに呼ぶけど、ペットが飼い主を一番に思っていても、というか飼い主しかいないと思っていても、飼い主はペットが一番じゃない。気持ちでは一番だと思ってても、一緒にいる時間は短かったり。
実家のペットなんか、死に目に会えない、葬式に出られないことだってある。
ペットにどれだけ淋しい思いをさせてるか。人間がどれだけ自分達の事情でペットを振り回してるか。
飼い主は自分がつらい時だけ傍にいてもらって、ペットがつらい時には気付かず家族や友達と遊び歩いていたりする。
飼われているのは野生より楽だろうけど、ペットって本当に幸せなんだろうか…
そういうことを考えてしまう内容です。うーん。癒されない。
ストーリーも、別段心に残るものでもなく、動物好きな人ほど気分が暗くなりそうで、オススメはできないかも。