「残酷なまでに疑似体験させられる」ファーザー ポールさんの映画レビュー(感想・評価)
残酷なまでに疑似体験させられる
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混乱し迷路を彷徨う当事者の辛さ、苛立ち
面倒をみる家族やその近い関係の人たちの辛さ、苛立ち
介護の経験はないが祖父母や
これまで会話をした年配の方々
アンソニーの仕草や様子の全てが
よく知っていた光景だった
あの時のあの人たちの混乱した様子や
寂しそうな目や孤独を知って涙が止まらなかった
今どこにいて何をしているのか
腕時計を見て時を把握する
それだけで孤独な自分は少しは落ち着くと思う
娘と笑い合ったり、感謝の言葉を述べたり
アンの涙を拭ったりする父としての優しさ
日々忘れることが多くなり混乱している一方で
まだいるアンソニーの中の父としての在り方にも涙
最後は胸が辛くなる子供返り
キャサリンが優しい介護士でよかった
高齢化が進んでいる今の日本
自分も同じくらい歳を取ってから理解するのでは遅い
現代の人に観て欲しい一本
これを観るだけでどれほど歩み寄れるか
歳をとるまで理解し得なかった感情を何十年も早く
疑似体験させてくれたアンソニー・ホプキンスの
名演技に感謝し、拍手を贈りたい
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