「ブルーの世界」ファーザー talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
ブルーの世界
アンソニー・ホプキンスだからこその説得力と可愛らしさと矜持と悲しさ、オリビア・コールマンの美しい眼が娘の思いをよく表していた。脚本も構成も映像も良かった。
ブルーがあちこちで使われている。アンのクリアな青のブラウス、キッチンの壁の水色タイル、青のセブンチェア(クリニックにあったと思ったらフラットにも)、絵画の中のブルー、リビングの椅子やソファやクッション、寝室の壁紙、花瓶、レジ袋、ベッドリネン、タオル。どの時がどの会話が現実なのか、もやの中でわからなくなってくる。ブルーはとりとめのなさでもあれば、恐れや怒りでもあるし憂鬱でもあるんだろう。アンソニーが自分には「象の記憶力」があるんだ!という自慢が悲しかった。アンソニーの最後の台詞:葉っぱも枝もなくなっていく・・・、ママに会いたい、はとても辛かった。
アンソニーがよく聞いていたオペラのアリアもエンドロールで流れる控え目で静かなメロディーもまさにEinaudiで、優しく背中を撫でてくれた。
アンソニー・ホプキンスは本当にすごいですね。
今さらですが「帰らない日曜日」のニヴン夫人と、アンソニーの娘は、同じ女優さんでしたね!
今しがた気付きました。
talismanさん、こう言う映画は我が身に置き換えてしまいますよね。私も父を亡くして母は存命ですが、なぜか父のことばかり考えてしまいます…でも生きている人に向き合わないといけないなーと思います。
talismanさん、共感&コメントありがとうございます。ブルーの使い方は気づきませんでした。talismanさんらしい、クラシック音楽についてのコメントも素敵です。