「ちょっと期待はずれだったかな」オートクチュール バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと期待はずれだったかな
リナ・クードリさん、移民の役多いなー。というか最近よく見ますね。売り出し中なんでしょうね。
さて、本作。同女優さんも出演されていた「ガガーリン」同様の移民、団地住まいの貧困層を社会的背景とした作品です。職人サクセス物語と思いきやフランスの日常にある差別、分断などの問題をサラッとを取り扱った作品でした。ちょっと意外でしたね。
ただ、ちょい企画倒れかなーーって。ドラマの展開が雑で。登場人物の背景をしっかり描かれているけど、それらがあってこうなりました・・・のプロセスが結構強引で。ラストは「え?そーなっちゃう?」って感じで(笑)プロセス度外視な感じではありますが、ラストのあの感じは製作者の願いなのかな?そうあってほしいって。
ストーリーの展開はちょっとステレオタイプな前時代的な感じで「どうなんだろう?」って感じでしたね。個人の憤りや社会への不満はあるだろうけどなんかよくある展開で、どうにもテンプレ感あります。ディオールの舞台裏や仕事の部分がどう絡んでくるのか?期待していましたが、そこもイマイチで・・・。ディオールの仕事内容や何かがストーリーに重なってくる感じがあまりなくって、「あくまで仕事」でしかない。裏をちょっぴり見せましたって感じ止まりなんです。
移民の人間にフランスの老舗ブランドであるディオールに関わらせる・・・というなんだろうなぁ安易な融合?・・・これが相互理解だ!なぁんて聞こえぬ声が聞こえちゃうんです。フランスの驕りのような高い目線からの声が。・・・というくらいに、人間関係を紡ぐ部分がすごく軽く描かれていると思うのです。人間関係を繕うオートクチュール・・・・ってものではなかったなぁ。
とにかくみんなすぐに怒るし、大きな声出すし、争うし、バンバン蔑むし(「スシ、どけよ」の台詞は悲しくなったなぁ)息するように差別があるんだろうなぁ、フランスは。って思いました。