「臨場感溢れる体験型ムービー」アウトポスト B25(海外出張の為一時休会予定)さんの映画レビュー(感想・評価)
臨場感溢れる体験型ムービー
非常に臨場感溢れあの世界観に没入でき、見応えが非常にある体験型ムービーであった。
2009年アフガニスタンに設置された米軍基地の実話作品。
冒頭から丁寧に相当数の兵士の名前が紹介される。最初は違和感を覚えたがきちんとエンドロールでその理由が回収される。
この作品の魅力は臨場感が非常に溢れているところだ。いくつかの兵士をピックアップし彼らの物語を描くのではなくあくまで舞台となったキーティング前哨基地での出来事だけを描く。
その為前ぶりもなく敵から攻撃を突然受けたり、さっきまで元気だった兵士が瞬時に亡くなったり、兵士同士の会話なんかも含めて全てにおいて人が手を加えたストーリー性を感じることなくあの場に自分もいるかのような臨場感を楽しめる。結構早い段階でこの作品に没入してしまってる自分がいた。
戦争映画である以上もちろん敵を攻撃し破滅していくのが主となる展開ではあるが、やはり戦争である以上こちら側も攻撃を受け、そして多くの負傷者も出る。
どんなに絶望的な致命傷を負っても見捨てる事なく、生き絶えるまで仲間の助け合いが描かれているがその姿はとても美しい。
最後にエンドロールではキーティング前哨基地にて亡くなった兵士の紹介がなされていた。
やたら冒頭から相当数の兵士の名前が紹介されていたのはこの為であった。
生存問わずこの舞台に携わった兵士全てに強い敬意を感じ心動かされた。
戦争映画は数多く存在する。
一人の兵士にスポットを当ててその背景や物語を感じ、兵士の前に一人の人間である作品もまた楽しいものだ。
それらとは異なりこの作品のように徹底した臨場感溢れる戦場を、そして最初から最後まで兵士である勇敢な姿を描かれたこのタイプの作品もまたとても見応えがあり楽しいものである。
戦争、戦場とは程遠い生活を送れているからこそこういう作品を見て少しでも彼らのような勇敢な人間を理解し、そして敬意を持ち続けたいものである。