「アホな結末にドッチラケ」インヘリタンス 耶馬英彦さんの映画レビュー(感想・評価)
アホな結末にドッチラケ
タイトルからして、相続に纏わる悲劇もしくはホラーを期待したのだが、見事に裏切られてしまった。
ストーリーも酷いが、人物造形はもっと酷い。主人公の地方検事は、エリート検事らしくどっしり構えていると思いきや、まるで女子高生にしか見えない。裁判は神経を擦り減らす修羅場であり、それに慣れた法律家は大抵のことには動じない、、筈である。それが子供みたいにやたらに喚き散らすものだから、うるさくて仕方がない。
そのほか登場人物の全員に嫌悪感を覚えた。中でも一番ひどいのがやっぱり主演のリリー・コリンズのローレンだ。頭も性格も悪いブスに見えた。この作品を見たら、彼女を起用したいと思う映画関係者はいなくなるだろう。少なくとも当方はこの人が主演する作品はもう観たくない。
そもそもキャスティングがおかしい。リリー・コリンズのローレンに対して、母親のキャサリンの体格がデカすぎる。父親もデカいから、娘は母親よりも大きいのが普通である。母娘の体格の差を見た時点で、この作品のプロットが見通せてしまった。まさかこれが伏線だというなら、笑うしかない。これではどんでん返しもへったくれもない。
相続(インヘリタンス)が主題なら、死んだ父親から相続した地下室の状況を、今度は生きた父親から相続し、リリー・コリンズの悲痛の叫び声がこだまする中で重い鉄の扉が冷たく閉じられるようなラストを想像していた。相続の本当の意味がラストで明らかになると考えていたのだ。ところがアホみたいな結末を見せられてドッチラケである。これほど酷い作品は久しぶりに観た気がする。
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