「【“尊重と敬意。市長の仕事とは多くの扉を開く事。”当時の市長マーティ・ウォルシュと市役所職員たちが、多様な人種と文化が共存するボストン市民の幸のために奮闘する姿を描いたドキュメンタリー作品。】」ボストン市庁舎 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【“尊重と敬意。市長の仕事とは多くの扉を開く事。”当時の市長マーティ・ウォルシュと市役所職員たちが、多様な人種と文化が共存するボストン市民の幸のために奮闘する姿を描いたドキュメンタリー作品。】
ー 当時の市長マーティ・ウォルシュは、現在バイデン政権の労働長官に起用されている。そして、彼が職を辞任した後、民主党所属のアジア系市議、ミシェル・ウー氏がボストン市長としては初の女性、有色人種として当選した事は記憶に新しい。-
◆感想
・当時の市長マーティ・ウォルシュに薫陶を受けたのか、劇中に登場する市職員達の、市民に対し、”寛大で尊重と敬意”を払いながら仕事をする様が印象的である。
- 駐車違反者に対する遇し方のシーンは、分かり易い。
彼らの仕事の仕方はお役所的、官僚的ではないのである。ー
・マーティ・ウォルシュが自ら、且つてアルコール依存だった事、移民であった事が、彼の行政を行う上での基本姿勢になっている事が良く分かる。
ー 彼の基本姿勢は、常にマイノリティ側、弱者側にあるのである。
そして、全米ライフル協会に対する怒りのコメント。ー
・多様な人種と文化が共存するボストン市は、数百種類ものサービスを提供している。
このドキュメンタリー作品でも、その幾つかが描かれている。
警察、消防、保健衛生、高齢者支援、出生、結婚、死亡記録、ホームレスの人々の支援、同性婚の承認、退役軍人へのサポート、移民対応、地球温暖化対応、様々な依存者対応、知的障碍者支援・・。
その幅広さに驚く。
・更に、市が何かを決める際には、上から目線ではなく、数多いコミュニティに入り込んで、住民代表の意見を粘り強く聞く姿勢にも、感銘を受けた。
- 様々な問題に対し、徹底的に討議する姿をカメラは捉えている。-
<米国内に広がる分断化。
有色人種や女性への差別など難問が山積する中、当時の市長マーティ・ウォルシュと市役所職員たちの市民に対する接し方、基本的な考え方は尊い。
特に、ラストで披露された、マーティ・ウォルシュの”民主主義とは何か”をテーマにしたスピーチは素晴らしいと思ったドキュメンタリー作品である。>
<2022年1月4日 刈谷日劇にて鑑賞>