「グラスボートの家は冬は寒そうだけど夏は羨ましい」漁港の肉子ちゃん jfs2019さんの映画レビュー(感想・評価)
グラスボートの家は冬は寒そうだけど夏は羨ましい
原作未読。ガラケーが出てくるので劇中の時代は平成なんだろうだけど、中身は昭和の人情劇。肉子ちゃんの風貌がほとんど人外で最初なかなか感情移入ができないが、声役の大竹しのぶが上手でだんだん馴染んでくる。主人公はその肉子ちゃんではなくて娘のキクリン。キクリンの冷ややかな視点で語るナレーションで物語は進む。
肉子ちゃんの愛想のよさと情の脆さはもはやファンタジーだけど、損得勘定ばかりでうんざりする今の時代、せめて映画の中だけでもこういう人がいてもいいじゃないですか。
小学生どうし間のエピソードと肉子ちゃんのエピソードがもうちょっと絡んでたら面白いのにと思った。アニメーションのクオリティは言うまでもなく素晴らしいんだけど、他の日本のアニメと同様にやはり脚本が弱いような気がする。
あと、明石家さんまが監修しているんだから、肉子ちゃんとキクリンの関西弁はもうちょっとちゃんとして欲しかった。関西ネイティブでない人には気にならないのかもしれないけど、微妙なイントネーションの違いが気色悪い。
追記:大竹しのぶはこんなに関西弁が下手ではなかったはず、と「オカンの嫁入り」を観直してみた。やはり、こちらの関西弁は全く問題がなかった。10年ぐらいの間に習得した関西弁が蒸発してしまったのだろうか。
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