「誰か強引にねじ込まれた?」地獄の花園 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
誰か強引にねじ込まれた?
『OLが派閥争いをケンカでやってる』っていう設定の下で、ヤンキー漫画みたいなことが次々起こってくって話にしてんのね。
『ふざけた設定を大真面目にやると面白いよね』っていう笑いで進めてくんだけど、ギリギリ成立するかどうかって感じだったな。この笑いは難しい。
それより「武田梨奈や清野菜名を使って、もっと本気のアクションでやったら良かったんじゃ」と思いながら観てたの。最後まで観て「アクションはそんな重要じゃないから、いまのキャストでいいか」と思ったんだけどね。
でもトムスンと戦うところでドンデン返しがあって、広瀬アリスが負けちゃうのは良かった。
それで負けた後の広瀬アリスのモノローグシーンが良かった。
ここまで永野芽郁が語りだから、永野芽郁に感情移入しながら観てるんだよね。でも、ここで視点が変わって、天才のように振る舞ってた広瀬アリスが実は色々と考えてて、でも、それが崩れてしまったってのが分かるの。
広瀬アリスにアイデンティティ・クライシスが訪れてんだよね。ここで「頑張れ広瀬アリス!」って一気に感情移入していける。あとは、戦う必要はないんだけど、広瀬アリスのアイデンティティを確立するために永野芽郁と広瀬アリスが戦えばいいんだよね。
と思って観てたら、トムスン逆襲で小池栄子と戦うことになって、広瀬アリスが引っ込んで、永野芽郁のシーンが続くの。ここ、いらなかったんじゃないかな。誰かねじ込まれてキャストが一人余ったからシーン作ったみたいに見えたんだけど。
アクションシーンでは、永野芽郁が全くアクションできないんだけど、頑張ってて面白かった。パンチが完全に猫パンチなんだよね。「それ当たっても痛くないよ」と思いながら観てた。
最後まで観て、演技力がそんなに要求されない話だから、AKBや坂グループでやった方が、チープさが活きて面白かったかもと思ったな。
あと永野芽郁の友達役の眼鏡かけた人が「この人うまいな。どこかで観た気がするんだけど」と思いながら観てて、エンドロールで『中村ゆりか』が出て「そうだったのか!」と思った。うまいね、中村ゆりか。