「思い込みもほどほどにね」お隣さんはヒトラー? 雨雲模様さんの映画レビュー(感想・評価)
思い込みもほどほどにね
タイトルが面白そうだなあと思って上映ラスト日に鑑賞したのだが、思いの外お客さんが入っているのでビックリしたΣ(´∀`;)
ホロコーストを生き延び、ひっそりと南米コロンビアへ単独移住したポルスキー。愛妻が遺した黒い薔薇を柵の付近に埋め大切に育てながら、寂しい日々を過ごしていた。
そんな中、突如ブエノスアイレスの名士が隣に引っ越したいという理由から、代理人で弁護士のカルテンブルンナー夫人が訪れ、管理人の連絡先を知りたいからといっても、ドイツ人だという理由から頑なに教えようとしなかった。
そこは弁護士だから謄本を取り寄せる等してわかったのだろう。ドイツ人の隣人ヘルツォークがやってきたのだ。
やってきてすぐ裁判が起こる。ヘルツォークの愛犬が勝手に入り込みトラブルに発展した経緯から柵を修繕することになるがその際にヘルツォーク側の敷地の一分が足りないことからカルテンブルンナー夫人が気付き裁判を起こし、結果ポルスキーが土地の一部を失うだけでなく妻が愛した黒い薔薇さえも手放すことになり、益々ヘルツォークを恨むようになっていく中で気付き始めた。
サングラスをとったヘルツォークの顔が、ヒトラーに似ているではないか、と。
答えはソックリさんでした、だったがポルスキーが一線を越えてでもヒトラーたる証拠を示し国際裁判で裁いて貰いたかったのだろうが、ポルスキーのヘルツォークがヒトラーでは?という推理は勘違いで終わった。
調べてみたら、当時はアルゼンチンで偽名を使いひっそり生活していたアドルフ・アイヒマンが捕縛されイスラエルへ移送されたことが話題にあったようにヒトラーは地下室で自害したとは公にはされているものの肝心のご遺体が出てこない。
実はヒトラーの遺骨は既に埋葬されていて様々な情報が飛び交う中において、確固たる情報が入ったのが1970年代になってからのことだそうだ。
当時の世界情勢など、皮肉にもシュールにかつコミカルに描かれているのがとても良かった。