劇場公開日 2021年6月18日

  • 予告編を見る

「【”夢を持ったら、簡単には諦めない。そして、若い時は無理に夢を絞らずに、自分が本当にやりたい事をじっくりと考えよう。”美味しそうな料理の数々も魅力的な、品のある優しい風合の作品。】」青葉家のテーブル NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”夢を持ったら、簡単には諦めない。そして、若い時は無理に夢を絞らずに、自分が本当にやりたい事をじっくりと考えよう。”美味しそうな料理の数々も魅力的な、品のある優しい風合の作品。】

2021年8月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

幸せ

ー 夫と離婚した春子(西田尚美)と一人息子のリク。春子の友人めいこ(久保陽香)と彼氏のソラオ(忍成修吾)の不思議な4人家族は、毎日美味しそうな食事をテーブルに並べて食している。
 そこに、春子の”20年前の友人”トモヨ(市川実和子)の娘、優子(栗林藍希)が、美術予備校に通うためにやって来た・・。ー

◆感想
 ・ゆったりとした時間が流れる映画である。登場人物は、夫々、大きな目標や小さな目標を持って、日々過ごしている。

 ・美術予備校で、友人たちは着実に夢に向かって進んでいる(様に見える)のに、自分は結果が出ない優子の焦り。彼女には、プロデュースが得意なメディアでも有名な母への屈託した思いも抱えている。
 ー この辺りの描き方が、品性良く描かれている。春子やソラオの作る料理も美味しそうである。金目鯛蒸しにネギを散らし、熱い油をジュっと掛けたり、卵とトマトの中華炒めであったり・・。ー

 ・落ち込んでいる優子を励ますために、公営の誰も来ない夜間プールに出掛ける春子、めいこ。勿論、飲み物を持って。

 ・優子と、美大を目指す紫髪のぶっきらぼうのあかね(上原実矩)の間に芽生える友情の自然な描き方。
 ー 鉛筆をカッターを使っての削り方が分からない優子にさり気無く教えたり・・。ー

 ・ファッション業界のインターンになった、美術学校の”ユーダイ、セオ”も悩みを持っていて・・。
 ー 僕なんか、只の使いっ走り何だ・・。彼の本音を聞いた優子は、それまでの彼女の想いと逆の彼の姿をみて、優しく慰める・・。ー

 ◇春子は、”20年来の友人”トモヨに”人生の清算をしてくる”と言う言葉を残して、会いに行く。そこには、TVで映されるトモヨとは別の昔のトモヨが、キチンとした料理を出す、町中華を営んでいた。そして、トモヨがぎっくり腰になった事で、春子はイロイロと、トモヨを助けているうちに、且つての関係性を思い出し・・。

<若い時代は(人によって、違うと思う。)多くの夢を持っていると、キツイケレド、充実した日々を送れる気がする。(もちろん、一つの夢を追い求めるのも良いが、夢って、徐々に変わる気がする。)
 夢が叶っても、叶わなくても、頑張っていた時代は、後年キビシイ社会で生きる上での財産になると思う。
 友人も然り。若い時の大切な友は、一生の友になると思う。今作の春子とトモヨのように。
 美味しそうな料理の数々も魅力的な、品のある、優しい風合の映画だと思います。>

<2021年8月14日 刈谷日劇にて鑑賞>

NOBU