「ぼんやりと見れる」映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園 まるのすけさんの映画レビュー(感想・評価)
ぼんやりと見れる
2021年上映されたクレヨンしんちゃんの映画。
エリートに進むこと、しんちゃんと風間くんの対立を軸に、幼稚園の友人たち1人1人にちょっとしたドラマを持たせるようにしていた。
ラストのかけっこのところで青春連呼場面がやってきて「あ、これって青春のことを言いたかったの?」とやや急に挿入された話題だったように感じた。もちろんその前から友情・恋愛、格差をこえて人と繋がりたい欲求、友達とお泊まりしての枕投げ、購買の焼きそばパンなどが出てきていたけど青春というキーワードに収束されるほどのインパクトはなかったように感じた。
またクレヨンしんちゃんは基本的には子供向けのアニメなので、劇場にも子どもが多くきていることと思う。当然多くは子供だけではなくて、大人と一緒にきていることが考えられる。子供と一緒に鑑賞したあとの話題の一つとして語り合うことのできる青春ということが描かれていたかも悩ましい。途中途中でみさえやひろしが今はここにいないしんのすけのことを思って寂しさを口にする場面があるが、いっそ青春よりも別れをもっと骨太に描くようにした方がよかったのではないか。題材として出てきているものをもっと深掘りして多少重くなっても、しんちゃんたちのギャグやまっすぐさで軽やかに鑑賞できたのではないかと思う。探偵要素があったことで、謎解き的なミスリードを誘うキャラクタを出す必要があったのだろう。そのために、時間配分とテーマの掘り下げが十分にいかなかったんじゃないかなぁと思うんだけど、どうだろうか。マラソンの彼女と学年1位の彼、学園長と担任は分離せずに基本的にニコイチで行動させることで描く要素と時間を短縮して、もっとみさえとひろしの時間をみたかった。
