「AIは愛を知らない」映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園 サプライズさんの映画レビュー(感想・評価)
AIは愛を知らない
映画館でクレヨンしんちゃんを見るのは今回で2回目。1回目は前作の「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ4人の勇者」です。
前作がめちゃくちゃ面白かったこともあり、今回はあまり期待していない。初の試みであるミステリーなのでより不安。前作を超えることは無いだろうと思っていたが、全体評価は脅威の★4.3。ここまで来ると逆に怖くなってしまう...笑
完全に杞憂でした。
驚くほど、めちゃくちゃ面白かったです。
まさかの前作越え。ホント、最っ高でした!!!
私立天カス学園に一週間体験入学することになったかすかべ防衛隊の5人。その学園ではオツムンというAIが即時に判断したエリートポイントで階級が変わり、体験入学にポイントを貯めると入学することが出来る。
いつにも増して笑いたっぷり。
しんちゃんのギャグセンスが光っており、「これ子供分からないだろ!」というボケもいくつか。おしりで事件を解ケツ!って、おしり探偵じゃない?笑 わざとなのか偶然なのか不覚にも笑ってしまいました笑
本作の新キャラも大活躍。
約100分という短い尺の間でかなりのキャラ付けで、ラストシーンに素晴らしいスパイスを与えている。もちろん、かすかべ防衛隊の5人も余すことなく使っているし、今回は特にボーちゃんがかっこよく普段見られない姿に笑わされたし、感動させられた。ネネちゃんもマサオくんもいい味出してる。
本格"風"ミステリーと予告で入っているが、風ではなく本格ミステリーだった。これを最初から予想することは出来ない!事件解ケツの中で驚かされることもあり、最後まで誰だか検討がつかない。本当によく出来た脚本。見事な伏線回収で非常に面白かった。
音楽もまたいい。
ケツメイシのオープニングはいつもの粘土しんちゃんと共に世界観に入り込みやすいし、そこからのいつものしんちゃんは安定していて映画クレヨンしんちゃん初心者にとっては優しい作りになっている。
マカロニえんぴつのエンディングは「ああ、いい映画だったなぁ」ととてもいい余韻をもたらすしてくれる。
そんなエンディングの前のラストシーン。
前作も良かったが本作もまたほろりと泣けるし、セリフ一言一言がグッときてかなり響いた。今回もまた特に良かったのがみさえとひろし。普段見せない姿を見せたり、相変わらずのカッコイイセリフに思わずいいなぁと呟いてしまった。
オツムンの無情さがどことなく今の世の中に近しいものを感じるなと思った。疑問を持つカザマくんにこれが正しいの正当化させる。このキャラクターの性格や意義こそが本作で伝えたかったことなんだろうなと思った。
ただ、前半が少々退屈。
もっとド派手な演出や面白可笑しさが欲しかった。前作は初っ端からアクセル全開(二つの意味で)だったので、どうしても今回が味気なく感じてしまう。
それでも最高の映画でした。
こんなにも毎年のように笑いと感動を与えてくれるクレヨンしんちゃん。一生続けて欲しいし、一生追いかけたいなと思いました。しんちゃん最高!!!!