「「名探偵コナン」と一緒に見たい、割と攻めている謎解き(おバカ学園)ミステリー作品。」映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)
「名探偵コナン」と一緒に見たい、割と攻めている謎解き(おバカ学園)ミステリー作品。
劇場版29作目ともなると、毎年のネタ探しも大変なのはよく分かります。ただ、個人的には近年割と見かけた宇宙からの侵略者的なネタは、ちょっと安易な感じがしていたのも事実です。
そのため、本作のような「シリーズ初の学園ミステリー」という正攻法なネタは非常に良かったです。
いつもの仲良し「カスカベ防衛隊」のメンバーが全寮制の超エリート校「私立天下統一カスカベ学園」(天カス学園)に1週間の体験入学するのですが、そこで学園内の多くの個性的なキャラクターが登場します。この新キャラクターとのやり取りが本作のベースの面白さにあります。
そして、「天カス学園」の超エリート校ならではの点数制の仕組みなども面白く、風間くんが突然「究極のおバカ」になるといった「事件」が起こります。
そして、残された「カスカベ防衛隊」のメンバーは、学校案内役の生徒会長・阿月チシオと一緒に「カスカベ探偵倶楽部」を結成し、「名探偵コナン」のようなミステリー作品となるのです!
このように、脚本は練っていて攻めている印象を持ち、飽きることなく最後まで楽しめました。
「シリーズ初の学園ミステリー」ということで、例年とは違った形で家族愛を描くのも納得でしたし、何よりいつものメンバーと新キャラクターとの化学反応が良く、このような斬新な設定を今後も期待したいところです。
なお、せっかく「クレヨンしんちゃん」が「名探偵コナン」に近付いた形で相乗効果も期待できましたが、昨年に続き、新型コロナウイルスの影響で「クレヨンしんちゃん」は公開延期の形で、今年はGW映画から夏休み映画に。
やや大人向けにもなってきている「名探偵コナン」と、マイペースでファミリー映画の路線を走る「クレヨンしんちゃん」。特に本作はコロナ前のように一緒に見たい作品です。