「時を止めた!(過去、未来がない)つまりストーリー構成がない」夏時間 SkyLockさんの映画レビュー(感想・評価)
時を止めた!(過去、未来がない)つまりストーリー構成がない
原題「남매의 여름밤」(弟姉の夏の夜)
邦題の「夏時間」さすがうまいタイトルです。
この映画、時が流れません。
つまり、ストーリー構成に重きがない!
これ、凄いですね。
社会背景、人間関係、過去も未来も・・・
作品内での全てが「場面」でしかない?!
作品内での役割として、弟ドンジュの言動の
一つ一つが、狂言回しのように場面展開していく妙。
だからこそ、それにしても、素晴らしいのが
ショットの画面構成!
こんなに無駄なく、自然に、それでいて
見事なフレームワーク!
何気ない物干の洗濯バサミが、目に焼きつく!
おじいさんが住む家での、夏時間。
あの家のロケーションがあったからこそ書けた
シナリオ?と、思いたくなるほど
うますぎる展開です。
監督ユン・ダンビの底知れない思考と技量に、うっとりしきりでした。
余談ですが、作品内の姉オクジュとおばさんが洗濯機を干しながら交わす会話がいいね!
(お互い、自分のショーツを干しながらの会話で・・オクジュのショーツは原色のスケスケ、おばさんのは、ベージュの肌着ぽいやつ)
おばさんがオクジュに
「今、付きあっている人、いるの?」
女性監督らしさが・・・随所に感じられて、それも、たまらなく良い感じです!
「はちどり」に比べられることがあるでしょうが、わたし的には
器が違いすぎます!
これこそが、新しい映画です!
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