ストックホルム・ペンシルベニアのレビュー・感想・評価
全4件を表示
自分が誰かにとって唯一無二の存在でありたい
そこで初めて自分自身を肯定的に捉えることができる。承認欲求なんでしょうか。
パートナーにしろ子供にしろそういう相手がいればある程度満たされるのでしょうが、誰もいなかったり、いても自分の思ったようにしてくれないと次は相手を捕え支配して意のままに動かしたくなるのかもしれません。本当はそんなことしなくても相手が、自分が相手を想うのと同じくらい、相手も自分のことを想ってくれれば良いのだけれど。母マーシーは夫の行動が自分に寄り添っていないと怒ります。夫はベストを尽くしてきたつもりです。事実より大事なのはお互いの認識なのかもしれません。
一方、レイアは母マーシーに支配されることに段々慣れていってるように見えます。精神的に首根っこを押さえつけられてたり、物理的に脱出できなかったりすると支配されることもある意味楽なので相手の意のまま、思考停止状態になってしまうのでしょうか。最後死んじゃったらやだなと思ってたけど、まさかの結末でどびっくりでした。
にしてもシアーシャローナンちゃんかわいいな。
【”産みの親より、育ての親なのか・・。育ての親は誘拐犯なのに・・。”哀しくて、切なくて、遣り切れなくて、恐ろしい映画。】
■4歳の時に誘拐されたレイア(シアーシャ・ローナン)。
17年間もの地下監禁生活ののち発見されて両親のもとに戻るが、4歳までの記憶はなく、誘拐犯・ベン(ジェイソン・アイザックス)との生活を忘れることができなかった。
失われた時間を取り戻そうと必死の母親マーシー(シンシア・ニクソン)は、焦りのためか、次第にレイアへ厳しい要求をするようになる。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・産みの親より、育ての親というが、今作は正にその言葉通りに展開する。育ての親が誘拐犯でも。
ー 幼き、レイアにとってはベンが世界の全てだったのである。ベンも又、然り。-
・レイア(本名は、リアン)を自分が真の親である事を認めさせようと、様々な努力をするマーシーだが、レイアに掛かった”ストックホルム症候群”は、ナカナカ解けない・・。
・故に、マーシーの怒りは夫グレン(デヴィッド・ウォーショフスキー)に向かい、二人は別居してしまう。
更に、マーシーは一人刑務所に収監されたベンに会いに行くのだが、そのことを知ったマーシーはベンと同じように、レイアを部屋に閉じ込めるようになる。
ー マーシーの行動が、狂気性を帯びて来ている・・。-
<レイアは、そんな状況下で息苦しさを感じるようになり、壁に母に対する感謝の言葉を短く書き、布を切り裂いて作ったロープで家を出るのである。
レイアもマーシーもグレンも何も間違ってはいないのに、折角17年振りの家族団らんを迎える事は無いのである。
色々と考えさせられる、哀しくて、切なくて、遣り切れなくて、恐ろしい映画である。>
全4件を表示