「面白かった。」美しき誘惑 現代の「画皮」 옴브라마이푸さんの映画レビュー(感想・評価)
面白かった。
妖魔に魅入られたと気づいたら、その時点で嫌いになってもおかしくないはずだが、にもかかわらず、徹底して相手を愛する、相手の中の人間としての心を愛する、たとえBBAになっても、醜くなっても愛する、自分が殺されそうになっても愛する、そんな塩村太郎だからこそ、妖魔が払われて、計算高くない本来の人間らしい山本舞子が出てくるのがラストだ。
ふつうの人はそこまで愛せない、法力合戦をしてまで相手の魂を救おうなどは思わない。
だからこそ妖魔に勝てる。もしも太郎が計算高い人間だったら、舞子にとっての利用価値がなくなった時点で、生気を吸い取られて殺されただろう。
妖魔との戦い方が解った映画。
星を.5減らした理由は、ラストが唐突な終わり方で、その後日談が見えなかったこと。
九尾の狐と空海がモデルの高僧との因縁の戦いは時空を超えてまだ続きそうだし、舞子もそう簡単にはファーストレディにはなれないだろう。結婚式にはマスコミも多数来ていたであろうし、そこであんなことがあって、太郎の政治生命もどうなることやら。政治家というより宗教家にでも転身するのか。
後日談がエンドロールの時にでも流れていれば、5でも良かった。
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