「狂気的」キャラクター ばたーびーるさんの映画レビュー(感想・評価)
狂気的
個人的に深瀬の声が良かった。ずとまよのACAねちゃんのような、地声がすごくいい。綺麗。なんだろう。何か引き寄せられる。そんな声だ。
狂気的な殺人を犯すにも関わらず純粋と言ったような目つきと話し方が逆に恐怖を掻き立てた。
一番印象に残ったのは清田が辺見に殺されるシーンだった。両角があの淡々とした緩い感じの口調で話しかけた途端に突然刺されるという...始めて映画館で「わっ」っと声を上げて口を塞いでしまった。もはやドッキリ!最近の映画は突然殺されるシーンになったり突然情景が変わるなどの私からしたらドッキリみたいな展開が多いように思う。やはりありきたりの展開では物足りなくなってきているニーズが増えているのだろうか?そういうのも新しくて面白いし、逆に韓国ドラマのようなありきたりで結末が見えていてもみてしまうような王道ラブストーリーがより面白く見えたりする。と、最近韓国映画やドラマを見ながら思う。
いつもこうした狂気的な殺人や行動を起こす人間を描いた映画を見ると、犯人に対して「かわいそう」という感情を抱いてしまう。人を殺しているか否かに関わらず、こうした人間のほとんどが孤独であるから。家族がいなかったり、そうすることでしか自分の存在意義を見つけられなかったり。
そういった背景を持っている場合、自殺という選択肢を選ぶ人の理由にも多く当てはまると思う。でも自分が消えるのではなく、他人を消すという、自殺を選ぶ人との真逆の考え方をする点においてはもう、一人の人間としては何かが違うのかもしれない。
山城圭吾は漫画で売れることができ、妻も子供もできて世間一般では一番「幸せ」という条件が揃ったにも関わらず、自分が書いた事によって両角に殺された家族や清田など、天国と地獄の隣り合わせの壮絶な日々になってしまって悲しすぎると思った。
あと人ってあんなに刺されても生き延びられるものなのかな?凄い刺されていたような...刺されるシーンは何度見ても目を瞑りたくなる衝撃的なシーンだ。
映画館の暗闇の中、大画面で見たからこそこの迫力で衝撃のシーンにここまで驚かされ、心が揺れ動いたのだと思う。今後家等で見返す日が来たとしても、一人では見たくないなあと思う。