「脚本、演出、キャスト、全てがベスト!!!」キャラクター プールサイドさんの映画レビュー(感想・評価)
脚本、演出、キャスト、全てがベスト!!!
永井聡監督だったから良い意味で無難、安心して見ることができるだろうと思っていた。
いやー、失礼しました。
話の構成、カメラ構図、SE、演技、全ていいじゃん!
話の構成は飽きの来ない展開。
目撃した殺人事件、犯人をモデルにすることで売れっ子漫画家になった山城圭吾(菅田将暉くん)の明るい部分もあったはずだが、殺人事件とのコントラストは一切不要。
殺人鬼・両角(Fukaseさん)を必要以上に登場、接触させているようだけれど、実際に目の前に現れいつ自分に襲いかかって来るかわからない"見える恐怖“も中々のモノ。
清田刑事(小栗旬さん)の死が1番のポイント。
これがあったから、ラストに向けて一気に緊張感が増し、描くことができたと思う。
そして基本的には両角の殺人シーンは描かず、ラストで思う存分見せる。
スタッフは観客に耐性を付けさせない知能犯だ。
画の演出はまずオープニングから。
POVなんてオシャレなことしちゃって(笑)
タイトルクレジット出しは『ホムンクルス』に負けるが、オープニング全体としてはこっちの勝ち。
そして作中、両角が出て来そうで出て来ない、でもちょっとタイミングをズラして予想を裏切って来る。
翻弄されてしまうのは随所に匂わせカットがあったから。
ラストの家具屋の1カット、(良い意味で)全く余計なのを入れやがって!
安心して見終われなかったじゃないか!
SEは特別なことをせず、シンプルイズベストと言ったところか。
恥ずかしいが、辺見の再登場シーンにはビクッとしてしまった(笑)
そして役者陣の演技。
菅田くんの追い込まれて1人で抱え込んでしまい、パートナーの夏美(高畑充希さん)に対し強く当たってしまうシーン。
心境とは裏腹に、口調的に根がいい奴ということがわかる。
見た目もバッチリ。
喉仏くっきりでやつれてましたね〜。
小栗旬さんは刑事役で見かけることが多くなって来ましたね!
小生意気な感じが新鮮だったけれど、相変わらずの安定感。
そして、Fukaseさんの俳優デビューは大成功ではないだろうか。
純粋無垢なサイコパスを見事演じ切った。
ただ、この役のイメージが強くなるだろうから、次へのハードルがかなり高くなってしまうのだろうな。
クセ役ゆえのハマった時の爆発力のみだったで終わってほしくはないくらい良かった。
間違いなく来年のアカデミー賞に入ってくるだろう。