「久しぶりに心から面白いと思える映画でした」キャラクター れんさんの映画レビュー(感想・評価)
久しぶりに心から面白いと思える映画でした
期待以上でした。
Fukaseが演じると知った時(え!?この人演技できるの!?)と思ったけど、初めてとは思えないぐらい上手いしハマり役でした。
普通の俳優では出せないであろうFukaseが持つ独特な雰囲気が、サイコ殺人鬼役にピッタリでした。この人をこの役に抜擢しようと思いついたのも凄い。ボーカルならではの一線を画す通った声も気味の悪さを出してて良かった。
グロいですが殺人シーンはないのでグロいのがちょっと苦手な私でも観れました。指を切るシーンは痛かったですが…
蛆虫の描写は気持ち悪くて目を閉じました。
Fukaseの声がした次の瞬間小栗旬が辺見に刺されたシーンは思わずびっくりして声が出そうになりました。え、死んじゃうの!?まさか死なないよね!?ってショックでした…
4人家族という設定があったので菅田将暉の家族(と奥さん)が食卓を囲むシーンでこれは犯人に狙われるのでは…いやでもあからさま過ぎるからミスリードか、と思ったらやっぱり狙われたのは偽りの4人家族の方ではなく本物の4人家族でした。お腹の子が双子とは思いもしなかった。
奥さんが狙われるとわかった瞬間ゾワッとしました。
冒頭とラストのBGMも最高にカッコよかった。
ハラハラスリル満点で最後まで飽きずに夢中になって観れました。
なので☆5にしたいところですが、所々ツッコミどころがあったので−0.5です。
・一番最初の事件で明らかに違和感のある辺見をあっさり犯人と決めてしまう
・奥さんが狙われる可能性を考えずに警備0、厳重なセキュリティマンションの意味皆無
ここまでは話の流れの為として仕方ないと目を瞑れますが
・ダガーと辺見の関わりがよくわからない、何をどうしてファンになった?
・辺見が16歳の頃犯した殺人事件についての回答もあやふやだったので本当に殺人事件を犯したのかしてないのかよくわからない
・辺見とダガーの手紙?の内容を少しでも出して欲しかった
・ダガーがあそこまでになった背景や心情の描写が薄い
最後絶体絶命だった菅田将暉と奥さん(高畑充希)が生き残り、ギリギリのところで殺人者にもならずに済み、子供も無事、ホッと一安心したのに
奥さんと子供を狙う影に刃物を研ぐ音、あれは恐らく辺見であり、殺されるであろうと思うとモヤッと後味の悪い終わりでした。
しかも一番最後の最後の終わりが辺見(恐らく)なんかでいいのか?と思ってしまう。
でも「まあどうせ助かるっしょ」「どうせ死なないでしょ」と安心させない展開は圧巻でした。
そして山城圭吾の漫画が大ヒットしたのは、漫画家としての資質ではなく殺人者としての資質が開花してしまったからでしょう。。
ツッコミどころや回収しきれてない感はありつつ、総評してオリジナルとしてはかなり面白かったです。