劇場公開日 2021年6月11日

「Fukaseがヤバい!」キャラクター おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0Fukaseがヤバい!

2021年6月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

興奮

イオンワンデーフリーパスポート2本目

予告は観たことがなく、事前情報もほぼないまま、新作だから観ておこうという軽い気持ちで鑑賞してきましたが、なかなかに凄惨な場面が多く、びっくりしました。グロいのは苦手なのですが、最後まで目が離せない展開で、とてもおもしろかったです。

ストーリーは、売れない漫画家がたまたま目撃した殺人事件の犯人をモデルに描いた漫画が大ヒットし、その漫画の中で起きる殺人事件をなぞるように現実でも連続殺人事件が起きていくというものですが、この発想自体がおもしろかったです。漫画家の山城が、罪悪感を覚えながらも漫画を描き続け、やがて両角と対峙していくまでの複雑な心情が伝わって、観ているこちらも息が詰まるようでした。終盤の怒涛の展開も、多少ツッコミどころはありますが、なかなかよかったです。

映像的には、冒頭でも述べた事件現場の凄惨さがあまりにも衝撃的でした。あとで知ったのですが、PG12作品だったのですね。ここまでグロく描かなくてもと思わなくもないですが、本作の根幹に関わる部分であり、両角の異常性を描き出すためにも重要だったのではないかと思います。他にも、売れる前と後の山城の仕事部屋、両角の自室なども、住人の息遣いが感じられるほど緻密に作り込まれ、制作陣のこだわりが感じられました。

そして、なんといっても本作のイチ押しは、俳優陣の演技。菅田将暉くん、高畑充希さんらの若手から、小栗旬さん、中村獅童さんらのベテラン、懐かしの松田洋治さんまで、実力派が名を連ねています。この俳優陣を向こうに回し、圧巻の演技を見せるのがFukaseさん!どこかで見た顔だと思ったら、SEKAI NO OWARIのボーカルだったのですね。これまでの演技経験は知りませんが、彼は素でもヤバいやつなんじゃないかと思えるほどで、あの菅田将暉くんを食うぐらいの存在感を放っており、本作の立役者は間違いなく彼だと言えます。

というわけで、グロさはありますが、耐性のある方なら見て損はない作品だと思います。

おじゃる