劇場公開日 2021年6月11日

「異能俳優Fukase誕生」キャラクター bionさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0異能俳優Fukase誕生

2021年6月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

 吐き気、おぞましさ、絶望感、あらゆるマイナス感情を体験させてくれる。強烈でクラクラしちゃったよ。やればできるじゃないですか、日本映画界のみなさん。しかも、オリジナルの企画で。

 絵は抜群にうまいけど、読者の印象に残るような強烈なキャラクターを創造できなくてプロデビューできない漫画家アシスタントの山城圭吾。その山城が本物の殺人鬼と殺人現場を目の当たりにして、それを自分の作品として描いてしまう。

 この設定だけでも面白いのに、その作品の連載が始まって大ヒットしたら、今度は殺人鬼がその内容をトレースした殺人を実行する。このプロットにはゾクゾクくる。

 独特な首のかしげ方をしてハイトーンヴォイスで不気味な言葉を吐き出す両角。この両角を演じるFukaseのサイコパスぶりが迫真に迫っていて、この先の家族の運命を考えると吐き気がする。ヒッチャーのルトガー・ハウアーに匹敵するよね。

 ちょっとだれそうになった中盤で予想しなかったショッキングな展開を挟むところなんか、絶妙なシナリオ。脚本の長崎尚志ってwikiで調べたら生まれも育ちもマンガ業界じゃないですか、この才能を映画にもっと生かして欲しいな。

 菅田将暉、小栗旬、Fukaseの圧倒的な演者に囲まれて、中村獅童がなんか霞んで見えた。

bion
kossyさんのコメント
2021年6月13日

bionさん、コメントありがとうございます。
アーティストとサイコパスは紙一重!いい言葉です。
時間の経過とか検察うんぬんの話はちょっと首をかしげましたが、ほぼ上手く作られたました。
20世紀少年は単行本揃えました!

kossy
グレシャムの法則さんのコメント
2021年6月13日

4人殺したら、二日間は動けないほど疲れるんだよ。

なんてセリフが日本映画の中で、違和感なくゾッとできるなんて初めてのことでした。

グレシャムの法則
bloodtrailさんのコメント
2021年6月12日

Fukaseさんの起用はアタリでしたよね。一人だけ異質感を放ってて、それが恐怖感を煽ってました!

bloodtrail