「エグい！テレビ局制作のユルさは無い。でもそこがパンチ効いている。」キャラクター　満塁本塁打さんの映画レビュー（感想・評価）

世田谷一家殺人事件を増幅。オウム真理教的な色合い。面白いのだけれど、ヘタな良心を持ち込んで見てしまうとFukase 演じる両角モロヅミ、悪役が一家四人の複数ケースの殺人の散華シーンとかぶって、憎くて憎くて仕方なくなる。

　しまいにはこのビッ◯の茶髪のガキ、こ◯してやろか？痛い目に合わせてやる！！というようになるので、良心は抑えましょう。しかし世界の終わりだか知らんけど、ボーカルだかのこの人「不気味でこ憎たらしい」役似合うねぇ。演技というか思い切り失礼だけども、天性の雰囲気でしょ。

途中、意味もなく殺人にかんでくる【ネタバレ】浮浪者風の辺見役の松田洋治、老けたなぁ！！！自分の老いを感じた。
松田洋治ったら子役か青年役のイメージしかないから。

綾瀬はるかとか藤原竜也とかテレビ局連携の作品はマイルドなのは良いのだけれども、甘ったるいお菓子みたいでちと辛い。
この作品はフジテレビが制作かんでるんだけれども、映画独自の脚本、作品なので突き抜けてパンチが効いている。

観ている方は犯人は分かっていても、同時進行で悪の昇華を見せつけられるわけで、全く飽きることは無い、時間と経つのも早い。

クライムサスペンスがなんだかよく分からないけども、尺も緊張感もちょうど良い。ただ女子高生の集団きていたけど、18歳未満はどうかなぁ。将来を担う女子高生がこんな作品面白がっては困るよ。お母さんになるんだから。
ただ粗探しでは無いけれども、高畑充希が妊娠した時点で、コレが最後のターゲットで、寸止めで助かるという筋が読めてしまった。多少映画が趣味な人なら読めてしまう展開は仕方がない。ブラッド・ピット、モーガンフリーマンの「セブン」がかぶるのはこの手の映画の宿命だから仕方ない。

あと警察が狙われてる漫画家の妻の警護が無さすぎる。いくらなんでも複数人警官つけるってば。それと漫画家の口から犯人割れた段階で、似顔絵と本屋の映像で、事実上の全国指名手配になるの当たり前だろが。
まあ結局は菅田将暉というより、Fukase の気持ち悪さ全開映画。中村獅童も小栗旬もその気持ち悪さに対して影が薄い。
グロ映画ではあるので要注意、ほんの僅か、虫の息の子供のシーンがあるが超胸糞ワルイ。全部死後のシーンで通すべきだった。犯罪を誘発するとも限らんのだから。実際世田谷一家殺人事件はこういう輩が犯人だと思う。ただ実際は白昼包丁一本で4人を始末は無理。なぜなら家族連れは例外なく不審者警戒するから。訳のわからん奴、山道で車に乗せるほど世の中甘く無いし。刃物は1人でも切ったら、それ以上は余り使い物にならない。単独犯ではムリ。

まあしかし分別のある大人が見る分には残酷で胸くそだが、なかなかの良質の娯楽作。