「リアリティには欠けるが、心温まるヒューマンムービー」野球少女 B25(海外出張の為一時休会予定)さんの映画レビュー(感想・評価)
リアリティには欠けるが、心温まるヒューマンムービー
予告でうたってる通り主人公の女子高生スインがプロ野球選手を目指すストーリーである。
女性が野球選手を目指すという事だけに昨今の映画でよく見かける女性差別を覆すような作品かと当初は思ったが、もちろん女性というだけで力がないと偏見されるシーンも少なからずあったが、それよりも年齢を重ねるにつれて、男性との体力の差を感じそれに苦し悩むのがスインである。
その為決して女性だけではなく、体格に恵まれない男子選手に置き換えてもこの作品は通じる為見やすさはある。
この作品の好きなところはとにかく主人公のスインが野球をこよなく愛し、母親をはじめ周りがプロは諦めろという雑音をシャットアウトし、黙々と自分の夢に歩む姿がとても美しく好きである。
その姿に自分の過去と重ね合わせ、心打たれるものがあったからこそ、序盤はスインを否定しがちだった新米コーチも最後は二人三脚となり彼女をサポートするようになったのだろう。
ストレートに拘ってたスヨンがナックルという魔球を身につけて最後はプロ野球選手になり作品は終わる。
ストーリーとしては極めてありきたりだが、野球人としてはやはり野球ムービーはいつみても楽しいものだ。今作も十分に楽しめた。
ただ野球人があるが故にリアリティに欠けるシーンがちょくちょくあったのは気になった。
今回スヨンが身につけたナックルボールだが流石に数ヶ月で身につけるのは無理がある。
また韓国野球は日本とはドラフト制度が異なるのは有名だが、流石に高校卒業間近でドラフト指名されていないアマチュア選手が入団はできなかった気がするが…それに実践実績がない選手をトライアウトだけで獲得も少し強引ではあるかな。まぁその辺は少し気になった。
学生ムービーだがあまり学生感のあるストーリー展開ではなくあくまでトライアウトに合格する事を目指すストーリーである。
野球に詳しくなかったり、その辺りの細かい事を気にならなければストーリー自体は無難で見やすい為とてもポピュラーに楽しめる作品に思えた。