「ジャッキーはやっぱりジャッキー」プロジェクトV regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
ジャッキーはやっぱりジャッキー
今回も公開初日に観ようと思っていたら、直前の緊急事態宣言で東京での上映が延期に。それがようやく開けたと思ったら、他の地域では6/3で上映終了してしまう事に合わせてか、東京地区だとたった3日間だけの上映というアンマリな扱い。
というわけで宣言解除初日の6/1に慌てて劇場へ。
民間警備会社が悪人相手に大活躍する…というあらすじに覚えがあるなと思ったら、わが日本のドラマ『ザ・ガードマン』とほとんど同じだった。あれも東京の一民間企業なのに、活躍の幅がどんどん日本全国に広がり、悪人もスケールアップしていくというトンデモ設定だった。
もっとも、ジャッキー率いるこちらヴァンガードはハナから全世界がお得意様のようなので、比べる事自体失礼なんだが。
ジャッキー演じるボスは、『ザ・ガードマン』でいう宇津井健的ポジション。でも、自ら危険な最前線に出て大活躍するあたりはさすがジャッキー。
といっても本作ではいささか出番は抑えめで、アクションシーンは部下役の若手スターに任せた感じ。まぁ彼の実年齢(撮影時65歳)を考えればそれが当然なんだけど、やっぱりどこか物足りなさを感じる。昨今の中国映画らしく本作でもCGを多用しているが、これまたトゥーマッチなのが残念。
クライマックスのバトルも意外とアッサリで盛り上がりに欠け、今回もイマイチな出来だったか…と思っていたら、お馴染みのNG集で驚愕。ボートやジェットスキーでの激流下りチェイスシーンを実際の川で撮影し、なおかつジャッキー本人が運転し、転覆してしまって危うく溺死しかけるというショットが!
「ジャッキーのアクションが物足りない」という前言を、ここで撤回。
またジャッキーといえば、全スタッフやキャストの誰よりも一番偉いのに率先してセットを片づけたり、自ら炊き出しを作って振舞うというエピソードが知られているが、本作でもやっぱり炊き出しを手伝ったり、お菓子を配って回ったりと、相変わらずなジャッキーが映っているだけでもう満足。
断言してもいい、本作の一番の見どころはNG集だ。