ネズラ1964のレビュー・感想・評価
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ネズミ花火…苦渋が次へ繋がった
Amazon Prime Videoで鑑賞。
大映が「大怪獣ガメラ」の以前に企画していた特撮怪獣映画「大群獣ネズラ」の、製作から頓挫までの物語を描き出す。
映画人たちの情熱、そして悲哀が沁みる。渾身の企画が挫折し、その悔しさはとてつもないものであったと思う。
しかし、少し考えれば本物のネズミを使った撮影は困難だと分かる気がするし、当時だから通った企画であろう。
ネズミ花火が回転する様子から、回転しながら空を飛ぶ怪獣を着想したと云うエピソードに、なるほどと思った。
一度は転んだが、ただでは起きないのが映画人の矜持かもしれない。ネズラの挫折を経てガメラが生まれたのだから。
決して諦めない映画人たちの情熱は、今にも受け継がれているのだと思いたい。そして、特撮よもっと盛り上がれ!
[余談1]
言っても詮無いことだが、全体に漂うチープ感は否めず、低予算であることを隠しきれていないのがかなり気になった。
だが、当時を再現したミニチュア特撮はさすがのクォリティーで、低予算ながらモーションキャプチャーも駆使。
ベテラン・アクターの大橋明氏の演じるマンモスネズラは短い登場シーンながら、とてつもない存在感を放っていた。
[余談2]
しかしながらガメラ創作のきっかけは諸説あり、永田社長が飛行機に乗っていて偶然見た島の形が亀に似ていたことがきっかけであるとする文献(ウィキペディア等)もある。
幻の怪獣映画
新たな怪獣映画と思ったらネズミ怪獣映画のドキュメンタリー調のメイキング映画でした。
劇中の映画会社は太映、もちろん大映の模倣、社長も永田をもじった永野。大映特撮映画と言えばガメラだがその直前に没になった企画がネズラだったという、実話に基づいた再現ドラマでした。
社長は大映ラッパと呼ばれたワンマン経営者で負けず嫌い、ゴジラの東宝特撮に負けるなとばかり怪獣映画製作を指示、どうやら当時、大ヒットしたヒチコックの鳥に影響を受け、身近な動物のスリラーということでネズミに至ったらしい。もっともCGなんてなかった時代、特撮怪獣と言えばコマ撮りで一世を風靡したキングコングが一番、ゴジラは日本的発想の着ぐるみ怪獣、また、撮り方次第で誤魔化せる蜘蛛や蜂、蟻などの昆虫をモチーフにしたミュータントものも大受けでしたから流れとしては分かります。
ただ、今になってはなんともチープ、映画を観る限りネズミちゃんたちが可愛すぎてちっとも怖くありませんでしたから没になってよかったんじゃないでしょうかね・・。
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