「【砂漠の中、自分達の案内人に対する不信と、インディアンへの恐怖。横溢する焦燥感の中、頼りにならない男達の中、女性のエミリーが決断した事を描く異色の西部劇。】」ミークス・カットオフ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【砂漠の中、自分達の案内人に対する不信と、インディアンへの恐怖。横溢する焦燥感の中、頼りにならない男達の中、女性のエミリーが決断した事を描く異色の西部劇。】
■1845年のオレゴン。広大な砂漠を西部へ向かう白人の3家族は、近道を知っているというミーク(ブルース・グリーンウッド)を雇う。
しかし、長い1日が何度繰り返されても、目的地に近づく様子はない。
やがて、道に迷った彼らに対して飢えと水不足と、互いへの不信感が募って行く。
◆感想
・1845年のオレゴンと言えば、劇中でもミークが口にするように、インディアンが恐れられていた時代である。
・そんな中、テスロー(ミシェル・ウィリアムズ&ウィル・パットン)、ホワイト(シャーリー・ヘンダーソン
&ニール・ハフ)、ゲイトリー(ゾーイ・カザン&ポール・ダノ:この頃から、夫婦役・・。)の三家族は幌馬車で西に向かう。
・ミークは、インディアンの恐ろしさを三家族に話しながら、旅は続くが、エミリー・テスローは彼に、冷たい視線を送る。
・何時まで経っても、目的地に着かない中、ミークは一人のインディアンを捕まえる。
ー この後、インディアンを撃ち殺そうとするミークに対し、猟銃をエミリーが向けるシーンは、緊張感MAXである。彼女は、この時点でミークへの信用を失っていたのだろう。
エミリーは、その前にインディアンの靴を縫ってあげたりしたときの、インディアンの優しい目を見ているのである。
・そして、彼らの前に現れた大きな木。そして、ミークは言う。”テスロー夫妻に従う・・。”
ー つまりは、インディアンの言う事を優先するという意味である。-
<今作は、うわべだけの男(ミーク)と、何もできない盲目的な人々(ホワイト夫婦&ゲイトリー夫婦)と、真を見定めることのできる人物(エミリー)の姿を、ロードムービー形式で、暗喩的に描いた作品である。
今作の旅の真のリーダーは誰であったか・・、を問う作品でもある。>