「フィクションで現実を照らす」バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
フィクションで現実を照らす
凡作なのに、傑作。
単独で観ても問題ないように作られていますが、ドラマ第三期を観てないと登場役者のキャラや作中劇の中身が深いところまでわからない。
続編的な意味合いも多々あります。
登場人物が多すぎ、基本的にとっ散らかっていて、映画になってない。
破綻しているとさえ思うレベルです。
田口、松重ら4人のメインレギュラー陣の軸と、濱田ら自主制作陣のどっちが主人公なのよ!
と、途中まで苛つきながら観る羽目になりました。
実は本作には、主人公がほとんど出ていませんでした。
レギュラー陣も、濱田らも、いやこの作品に出てきた役者全員が「助演脇役(バイプレーヤー)」なんですわ。
本当の主人公は、エンドロール前の最後のカットで10秒ほど出てくるだけ。
そこで、この映画の意味がやっとわかりました。
元のテレビドラマ自体、役者が自分と同じ役者を演じるメタフィクション極まった内容でしたから、これを逆手にフィクションで「現実への想い」を表したのだと気づきました。
そもそも、犬の名前が、主人公の役者さんが実際に飼っていた犬と同じなんですよね。
なるほど、と膝を叩きつつ感動しました。
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